オーストラリアでファーム88日を確実に進める仕事の探し方
最終更新日: 2026年5月24日

オーストラリアのワーキングホリデービザ(サブクラス417)でセカンドビザを取得するには、1年目のビザ期間中に指定地域で最低88日(カレンダー日数)の指定就労を完了する必要があります。この記事では、その88日を確実に積み上げるための仕事の探し方、対象地域の確認方法、書類管理のコツを2026年5月時点の最新情報でまとめます。
Last updated: May 24, 2026
88日の基本ルールを正しく理解する
まず制度を正確に押さえないと、せっかく働いた日数が無効になります。2026年時点でのルールは以下の通りです。
- サブクラス417:セカンドビザに88日(約3か月)、サードビザに179日(約6か月)の指定就労が必要。
- サブクラス462:セカンドビザに179日(約6か月)、サードビザにも179日が必要。
- 英国(UK)パスポート保持者は、2024年7月1日以降、豪英自由貿易協定(AUKFTA)により88日要件が免除されています。
- ACT(首都特別地域)は「Regional Australia」の定義から除外されており、ここで働いてもカウントされません。
88日のカウント方法も重要です。フルタイム雇用の場合は、休日・週末・有給病欠もカレンダー日数に含めて計算でき、約12〜13週間の継続勤務で88日に到達します。一方、パートタイムやカジュアル雇用では実労働日のみがカウントされ、1日あたり7.6時間程度が目安となります。シフトが薄い農場で雨や閑散期が続くと、書類上の88日に達するまで数か月以上かかることも珍しくありません。
指定就労として認められる職種と地域
指定就労として認められる主な産業は次の通りです(2026年)。
- 植物・動物の栽培/飼育(ファームピッキング、家畜飼育など)
- 漁業・真珠養殖
- 樹木栽培・伐採
- 鉱業
- 建設
- 災害復興(declared disaster zones)
観光・ホスピタリティ業も、417ビザ保持者の場合は「Remote/Very Remote地域」でのみ、462ビザ保持者の場合は「Northern Australia(南回帰線以北)」およびRemote/Very Remoteで認められます。シティのカフェやホテルはカウント対象外なので注意してください。
対象地域は郵便番号(postcode)で厳格に決まっており、2025年4月5日にNSW、SA、WA、NT、ノーフォーク島の一部を含む形で対象リストが拡大されました。応募前に必ず内務省公式ページ(immi.homeaffairs.gov.au/visas/working-holiday-visa/specified-work)でpostcodeを照合してください。雇用主が「ここはカウント対象だよ」と言っても、postcodeが対象外なら無効です。
仕事を探す主要ルート
ファーム求人の探し方は大きく分けて4つあります。リスクの低い順に並べます。
Workforce Australia Harvest Trail(政府公式)
旧Harvest Trail Information Serviceは2024年6月30日で終了し、現在はWorkforce Australiaの「Harvest Trail Jobs Board」に統合されています。政府運営の求人板なので、悪質なブローカーが入り込みにくいのが利点です。地域・時期・作物で絞り込めるので、まずここを起点にすると安全です。
民間ジョブボード
- Backpacker Job Board
- SEEK
- 各州・各町のFacebookグループ(地名+「farm jobs」「backpackers」で検索)
民間サイトは求人数は多いものの、雇用主の質に幅があります。応募前に必ず雇用主のABN(11桁の事業者番号)をabr.business.gov.au で確認し、実在の事業者かをチェックしてください。
ワーキングホステル経由
QLDのBundaberg、NSWのGriffith、VICのSheppartonなど主要収穫地には「ワーキングホステル」と呼ばれる宿泊兼仕事斡旋施設があります。仕事はすぐ見つかりますが、宿代・送迎代・道具代を差し引かれてシフトが少ない期間は赤字になることも。契約条件と実労働時間の実績を、事前に滞在経験者にSNSで確認してから入るのが鉄則です。
派遣会社(Labour Hire)
ビクトリア州では、労働者派遣会社が「Labour Hire Authority」のライセンスを保有していることが法的義務です。応募前にライセンス番号をオンラインで照会してください。クイーンズランド州、南オーストラリア州にも同様のライセンス制度があります。
主要な収穫カレンダー
88日を効率よく積み上げるには、収穫期に合わせて移動するのが最短ルートです。代表的な地域と作物を季節別に挙げます。
時期 | 地域 | 主な作物 |
|---|---|---|
1月〜3月 | QLD Bundaberg | サツマイモ、トマト |
3月〜5月 | NSW Griffith/Riverina | 柑橘、ぶどう |
通年〜冬 | VIC Shepparton | リンゴ、梨などの果物 |
9月〜11月 | WA Kununurra | メロン、マンゴー |
雨季や猛暑、サイクロンの影響で収穫がずれ込むこともあるため、移動の2〜3週間前に現地のホステルや農場SNSで作況を確認してから動くのが安全です。
申請料・資金・処理時間
2026年3月時点での417ビザ申請料はA$670です。クレジットまたはデビットカードで支払い、ビザが却下されても返金されません。
また内務省は資金証明として約A$5,000(プラス帰国便相当額)の所持を要求しています。処理時間は通常4〜21日、90%が10日以内に完了しており、書類さえそろえば短期間で結果が出ます。
1年目ビザがオーストラリア国内で期限切れになる前にセカンドを申請すれば、Bridging Visa A(BVA)が自動で発給され、合法的に滞在・就労を継続できます。締切ギリギリで動かないこと。
生活コストの実感値はワーホリ生活費の現実的な試算で確認しておくと、賃金と支出のバランスが見えやすくなります。
88日を「証拠」として残す書類管理
申請時に内務省が要求する代表的な証拠書類は以下の通りです(2026年)。
- 給与明細(pay slip)すべての勤務分
- 雇用主のABN(11桁)
- 税務記録(payment summary/tax return/income statement)
- 雇用主リファレンス(職務内容、勤務期間、フルタイム/パートタイム区分の明記)
- 銀行口座への賃金振込履歴
- Form 1263(雇用主による就労証明)
労働時間の記録には、公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)が提供する公式アプリ「Record My Hours」が推奨されています。シフトを毎日その場で記録すれば、後から雇用主と齟齬が出ても自衛材料になります。
偽の書類や水増し申告はPublic Interest Criterion 4020により、申請却下に加えオーストラリア全ビザに対する3年間の禁止措置となります。「現金払い・書類なし」のオファーは絶対に受けないでください。それは88日にカウントされません。
よくある落とし穴
- 現金払い(cash in hand)の農場:給与明細・税務記録がないため、いくら働いても88日として認められません。
- 対象外postcodeの農場:雇用主の自己申告ではなく、必ず公式ページで照合する。
- 同一雇用主6か月ルール:原則として同じ雇用主の下では6か月までしか働けません(地方・指定産業では例外あり)。セカンドビザ発給時にこの6か月制限はリセットされるため、1年目に働いた雇用主の下に戻ることは可能です。
- ボランティアでのカウント:2015年12月1日以降、ボランティアは指定就労として原則認められません。例外は災害復興地域での無給復興作業のみです。
- ACTでの就労:首都キャンベラ周辺はカウント対象外です。
- 派遣会社のライセンス未確認:VIC、QLD、SAではLabour Hireライセンスが必須です。
- 車での移動と免許:地方では車が必須になることが多いため、オーストラリアでの国際免許ルールを出発前に確認しておきましょう。
FAQ
Q. 88日は連続して同じ農場で働く必要がありますか?
いいえ。複数の農場・職種を組み合わせても合計で88日に達すればOKです。ただし、それぞれの雇用主から個別に証拠書類を取得する必要があります。
Q. ピースレート(出来高制)でも88日にカウントされますか?
はい。園芸季節労働の多くは「Horticulture Award」の下でピースレートが認められています。ただし最低時給・残業手当の基準を満たす契約であることが前提です。Fair Work Ombudsman(fairwork.gov.au)で適正かを確認してください。
Q. シェアハウスやホステルでの滞在は安全ですか?
地域や物件によって差が大きいため、契約前のチェックが重要です。シェアハウス探しの安全な手順を参考にしてください。
Q. 雨で仕事がない日もカウントされますか?
フルタイム雇用契約の下にあれば、雇用関係が継続している期間はカレンダー日数として算入できます。カジュアル雇用の場合は実労働日のみです。
Q. 申請料や郵便番号リストはいつ更新されますか?
申請料は通常7月1日に改定、postcodeリストや指定就労産業は不定期に改定されます。申請直前に内務省公式(immi.homeaffairs.gov.au)で必ず最新版を確認してください。
ファーム生活はオーストラリアの田舎社会に直接触れる時間でもあります。同僚やボスとの会話が英語で成立すると、シフトや住居の交渉も格段にスムーズになります。現地で使う英語を映画やYouTubeから自分のペースで取り込みたい人は、Migakuを試してみてください。