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Innovator Founder Visaでイギリス起業|エンドースメント取得術

最終更新日: 2026年5月18日

Innovator Founder Visaでイギリス起業|エンドースメント取得術

Innovator Founder Visaは、革新的でスケーラブルなビジネスアイデアを持つ起業家がイギリスで会社を立ち上げ、運営するための長期就労ビザです。最大の関門はビザ申請そのものではなく、Home Office認定のエンドースメント機関から事業計画の承認(エンドースメント)を得ることにあります。この記事では、2026年5月時点のルールに基づき、要件、手数料、申請手順、そしてエンドースメント取得のための実践的なコツを整理します。

Last updated: May 18, 2026

Innovator Founder Visaとは

Innovator Founder Visaは、内務省(Home Office)が2023年4月に導入したルートで、旧Innovator VisaとStart-up Visaを統合したものです。旧Innovator Visaにあった£50,000の最低投資額要件は撤廃され、資金よりも「事業の革新性・実行可能性・スケーラビリティ」が重視される設計になっています。

主な特徴は次の通りです。

  • 初回ビザ期間は3年。延長回数に上限なし。
  • 滞在3年でILR(永住権)申請が可能。多くの就労ビザの5年と比べて短い。
  • 最低投資額の固定要件なし。事業の質で評価。
  • 申請者本人が事業の創業者かつ主要な経営者である必要がある。
  • 配偶者・子を帯同可能。
  • ポイント制で合計70ポイントが必要(エンドースメント、英語、財政要件の合算)。

2025年11月25日以降は、英国内のStudent Visa保有者が課程修了後にUKを出国せず、直接Innovator Founder Visaに切り替えられるようになりました。英国の大学を出てそのまま起業したい留学生にとっては大きな朗報です。

申請要件のチェックリスト

申請前に以下を満たしているか確認してください。

  • エンドースメント:Home Office認定機関が発行したエンドースメントレター。発行から3か月以内に申請する必要があります。
  • 英語力:2026年1月8日以降、CEFR B2レベル(4技能すべて)。IELTS for UKVIまたはPTE Academic UKVIで各セクション5.5以上が目安です。
  • 維持資金:本人£1,270を申請前28日間連続で保有。家族帯同の場合、配偶者£285、第1子£315、追加の子1人につき£200を上乗せ。
  • 事業計画:革新的(innovative)、実行可能(viable)、スケーラブル(scalable)の3要件を満たす計画書。
  • 役割:申請者本人が事業の主要な創業者であり、日々の経営に従事すること。

2026年最新の手数料一覧

2026年4月8日付で内務省は申請手数料を改定しました。主な費用は以下の通りです。

項目

金額

備考

ビザ申請料(英国外から)
£1,357 / 人
主申請者・帯同家族とも同額
ビザ申請料(英国内で切替・延長)
£1,693 / 人
エンドースメント料
£1,000(VAT別)
承認機関に直接支払い
Contact Point Meeting
£500 / 回
ビザ期間中に最低2回必須
IHS(移民健康保険料、大人)
£1,035 / 年
3年分を一括前払い
IHS(子ども)
£776 / 年
Priority Service
+£500
5営業日以内に決定
Super Priority Service
+£1,000
翌営業日に決定

夫婦と子1人の3人家族が英国外から申請する場合、ビザ料だけで£1,357×3=£4,071、IHS3年分で£1,035×2×3+£776×3=£8,538、エンドースメント£1,000を合わせると初期コストは£13,000を優に超えます。

処理期間と申請ステップ

標準処理期間は、英国外申請で約3週間、英国内での切替・延長で約8週間です。エンドースメント取得には別途、機関により数週間から数か月かかります。

申請の流れは以下の通りです。

  1. 事業計画書(Business Plan)の作成。革新性、市場性、財務予測、ターゲット顧客、チーム構成を含める。
  2. エンドースメント機関を選定し、申請書類一式を提出。書類審査と面接を経てエンドースメントレターを取得。
  3. エンドースメント発行後3か月以内にGOV.UKでビザ申請。
  4. 生体認証(指紋・写真)の予約と出頭。
  5. IHS支払いと書類アップロード。
  6. 決定通知の受領。承認後はBRP/eVisaで在留資格を確認。
  7. 入国後12か月と24か月時点で、エンドースメント機関とContact Point Meetingを実施。事業進捗を報告。

エンドースメント取得のコツ

2026年5月時点で、新規申請者を受け付けるBusiness Endorsing Bodiesは以下の3社のみです(GOV.UKリスト、2026年4月20日更新)。

  • UK Endorsing Services
  • Innovator International
  • Envestors Limited

これに加えてGlobal Entrepreneurs Programme(GEP、Department for Business and Trade運営)がありますが、これは招待制で、すでにプログラムに招待された創業者のみが対象です。Legacy Endorsing Bodiesは2023年4月13日以前にエンドースした既存申請者の追加エンドースしか扱えないため、新規には使えません。

エンドースメント取得率を高めるための実践的なポイントを挙げます。

  • 「Innovative」を具体的に立証する:単に「便利なアプリ」では通りません。既存市場のどこに穴があり、自分の事業がそれをどう独自技術・独自モデルで埋めるのかを、競合分析と合わせて文書化します。
  • 「Viable」は数字で示す:3年分のキャッシュフロー予測、損益分岐点、初期資金の調達計画。資金の出所(自己資金・投資家・グラント)の証憑も用意。
  • 「Scalable」はチームと市場で示す:雇用創出計画(フルタイム何名を何年目までに)、海外展開の道筋、知財戦略。
  • 創業者本人の関与を明確に:申請者が経営の中心であり、フルタイムで事業に従事することを書面で示す。
  • 機関ごとの専門性を見極める:3社は得意分野や審査スタイルが異なります。テック寄り、ライフサイエンス、消費財など、自分の事業領域と相性の良い機関を選ぶ。
  • 面接対策:書類が通っても、ピッチ面接で落ちる例は少なくありません。3分・10分・30分の各バージョンで説明できるよう準備します。
  • 3か月の有効期限を意識:エンドースメントレター取得後は速やかにビザ申請へ移行。書類の英訳・公証など時間のかかる作業は並行して進めておく。

永住権(ILR)への道筋

Innovator Founder Visaの大きな魅力は、3年でILR申請が可能な点です。ただし永住権取得には事業実績の要件があり、以下の7項目のうち2項目以上を満たす必要があります(2026年時点)。

  • 自社事業へ£50,000以上を投資し、実行に移している。
  • 過去3年で顧客数を倍増させ、業界平均を上回っている。
  • R&D活動を行い、UKで知財申請をしている。
  • 年間売上£100万。
  • 年間売上£50万かつ£10万以上を輸出。
  • UK居住者向けにフルタイム雇用10名以上を創出。
  • フルタイム5名以上を創出し、平均給与が一定水準以上。

計画段階から、どの2項目を満たすかを意識して事業設計をしておくとILR申請時の準備が楽になります。

よくある落とし穴

  • エンドースメントの有効期限切れ:3か月の期限を見落とし、再申請を余儀なくされるケース。
  • 英語要件の引き上げを把握していない:2026年1月8日からB2に上がりました。以前の基準で受験すると不足する可能性があります。
  • 維持資金の28日連続保有を満たしていない:途中で残高が£1,270を下回ると要件不成立。
  • Contact Point Meetingの未受講:12か月・24か月時点のミーティング欠席は延長・ILRに悪影響。
  • 「Self-employed」と「事業の主要創業者」の混同:フリーランス的な活動はビザ目的に合致しません。法人化と事業実態が必要です。
  • 共同創業の役割が曖昧:複数創業者がいる場合、それぞれの持株比率と役割分担を明確に。

よくある質問

Q. 旧Innovator VisaやStart-up Visaの保有者はどうなりますか?
A. 既存ビザは満了まで有効です。延長や切替時にInnovator Founder Visaへ移行することになります。旧ルートで承認された機関(Legacy Endorsing Bodies)は、既存申請者の追加エンドースのみ対応可能です。

Q. 投資家からの出資は必須ですか?
A. 必須ではありません。最低投資額の固定要件は撤廃されています。ただし事業の実行可能性を示すうえで、資金計画と調達手段は明確にする必要があります。

Q. 他の就労ビザと迷っています。
A. 就労を希望するならスポンサー企業からのオファーが必要なルートが一般的です。Skilled Worker Visaのスポンサー企業探しも参考に、自分の状況に合うルートを比較してください。

Q. アジア圏の永住権ルートとも比較したいです。
A. 起業家ルート以外の選択肢として、シンガポール永住権取得ルート高所得者向けビザオプションも検討材料になります。

Q. 家族はイギリスで働けますか?
A. 配偶者は原則として就労可能です。子は公立学校に通うことができます。最新の細則はGOV.UKで確認してください。

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