オーストラリア学生ビザ Subclass 500:申請条件と必要書類
最終更新日: 2026年5月24日

オーストラリアで6ヶ月以上の正規課程に通うには、Subclass 500学生ビザの取得が必要です。CRICOS登録校への入学許可、英語力、財政証明、Genuine Student要件を満たし、ImmiAccountからオンラインで申請します。本記事では2026年5月時点のルールに基づき、日本国籍者が押さえるべきポイントを整理します。
Last updated: May 24, 2026
Subclass 500とは何か
Subclass 500は、オーストラリア政府が発行するフルタイム学生向けの一時滞在ビザです。CRICOS(Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Students)に登録された教育機関の課程に在籍することを条件に、最長5年間の滞在と出入国が認められます。語学学校(ELICOS)、専門学校(VET)、大学学部・大学院、博士課程まで、ほぼすべての正規留学コースがこのビザの対象です。
短期の語学研修や観光目的での学習は、より滞在期間の短いビザで対応する場合もあります。観光ビザとの違いについてはSubclass 600観光ビザとの違いを参照してください。また、就労を主目的に学習も組み込みたい場合はワーホリビザの申請方法の選択肢もあります。
申請の主要要件
Subclass 500の取得には以下の条件をすべて満たす必要があります。
- CRICOS登録校への入学許可:教育機関からCoE(Confirmation of Enrolment)が発行されていること。CoEなしでは申請自体ができません。
- Genuine Student(GS)要件:2024年3月23日に旧Genuine Temporary Entrant(GTE)テストを置き換えた審査基準。2026年現在も適用されます。申請フォーム内の4つの設問にそれぞれ英語150語以内で回答します。
- 英語力:2024年の引き上げ以降、大学・VET進学はIELTS 6.0(または同等)、ELICOSパッケージは5.0、ファウンデーション/パスウェイは5.5が最低基準。テスト結果は申請日から1年以内のものに限ります。
- 財政証明:学費に加え、生活費としてプライマリー申請者単独でAUD 29,710/年(2024年5月10日改定、2026年も継続)の証明が必要です。
- 健康保険(OSHC):滞在期間全体をカバーする海外学生向け健康保険への加入が必須。
- 健康・素行要件:必要に応じて健康診断、無犯罪証明書の提出。
英語テストの注意点
2025年8月7日以降、移民局が認可する英語テストリストが変更され、Online版やAt-Home版は受理されません。Secureテストセンターでの受験が必須です。日本国内でテストを受ける場合も、自宅受験ではなく公式会場で受けてください。
必要書類チェックリスト
申請前にImmiAccountへアップロードする主要書類は以下のとおりです。
- パスポート(顔写真ページのカラースキャン、有効期限がビザ期間をカバーするもの)
- CoE(教育機関発行)
- OSHC加入証明書
- 英語テストスコア(IELTS、TOEFL iBT、PTE Academic等)
- 学歴・職歴の証明書(卒業証明書、成績証明書、在職証明書など)
- 財政証明(銀行残高証明、定期預金、奨学金通知、または収入証明)
- Genuine Student要件への回答(フォーム内記入)
- 履歴書(CV)
- 18歳未満の場合は親権者の同意書、後見人の手配書類
- 家族同伴の場合は戸籍謄本(英訳付き)、配偶者・子の各書類
日本発行の戸籍謄本や卒業証明書は、NAATI認定翻訳者または公的機関による英訳が望ましいです。
申請料・財政基準(2026年)
2025年7月1日にAUD 1,600からAUD 2,000へ引き上げられた申請料は、2026年現在も据え置きです。家族同伴の場合は人数分加算されます。
項目 | 金額(AUD) |
|---|---|
プライマリー申請者 | 2,000 |
18歳以上のパートナー/扶養家族 | 2,000 |
18歳未満の子 | 500 |
生活費証明(本人のみ・年額) | 29,710 |
パートナー同伴の追加生活費 | 10,394 |
子1人あたりの追加生活費 | 4,449 |
学齢期の子の学費(年額) | 13,502 |
財政証明には2つの方法があります。
- オプションA(資金保有証明):上記の生活費+学費+渡航費を満たす預金残高を提示。
- オプションB(収入証明):スポンサーの個人年収が、扶養家族なしでAUD 87,856以上、家族同伴ではAUD 102,500以上。
OSHCの年間費用はプロバイダー(Allianz、Bupa、Medibank、nib、CBHS)により概ねAUD 500〜1,200です。2026年4月から民間健康保険料が+4.4%上昇予定のため、最新見積もりを取得してください。
申請手順
- CRICOS校への出願とCoE取得:希望コースに出願し、入学許可とCoEを受け取ります。
- OSHC加入:開始日をビザ申請予定日以前に設定し、加入証明を取得。
- 英語テスト受験:Secureテストセンターで受験し、スコアを保存。
- 書類準備と英訳:戸籍、卒業証明、財政証明等をPDF化。
- ImmiAccount作成:公式サイトでアカウントを作成し、Subclass 500のフォームに記入。
- Genuine Student回答:4設問に英語150語以内で回答。学習計画、コース選択理由、卒業後の計画、現在の生活状況を具体的に。
- 申請料支払い・提出:クレジットカードでAUD 2,000を支払い、申請を提出。
- 健康診断・指紋採取:移民局から指示があれば、指定パネル医での健康診断、必要に応じて生体認証情報の提出。
- ビザ判定通知:ImmiAccount経由でグラント通知が届きます。
処理時間と優先順位
2025年11月14日施行のMinisterial Direction 115(MD 115)により、オフショア(海外)からのSubclass 500申請は3層の信号機システムで処理優先度が決まります。
Priority | 対象 | 処理目安 |
|---|---|---|
Priority 1 | 学校、ELICOS、政府支援TAFE、博士課程、DFAT支援学生 | 1〜4週間 |
Priority 2 | 国別割当の80%未満の高等教育・VET機関 | 5〜8週間 |
Priority 3 | 国別割当を15%超過した機関 | 9〜12週間 |
2026年のNational Planning Level(NPL)は新規留学生295,000人(2025年比+25,000人)。出願先の機関が割当のどの位置にいるかで処理速度が変わるため、出願前に学校に確認してください。最新のパーセンタイル値は公式のGlobal visa processing timesページで月次更新されています。
また、MD 115の施行後は、ビジタービザ、Temporary Graduate(Subclass 485)、Maritime Crewなど一部の一時ビザからオンショア(国内)での学生ビザへの切替えができなくなりました。日本から先に観光ビザで渡豪し、現地で学生ビザに切替えるルートは封じられています。
労働時間・滞在中のルール
Subclass 500保持者には就労が認められますが、以下の制限があります(Condition 8105)。
- コース開講中:2週間(14日/月曜起算)あたり最大48時間
- スクールホリデー中:時間制限なし
- リサーチ修士・博士課程:コース開始後は上限なし
オーストラリア国内で運転する際は、日本の運転免許+翻訳または国際免許で一定期間運転可能ですが、州ごとにルールが異なります。詳細はオーストラリアでの国際免許利用を参照してください。
パッケージコース(語学+本科など)の場合、コース間の隔たりは原則2暦月未満。ただし学年末(11月終了)から翌2月開始の場合は3〜4ヶ月まで認められます。
よくある落とし穴
- Genuine Student回答の使い回し:エージェントのテンプレートをコピーすると拒否率が高まります。自分の言葉で具体的に書くこと。
- 財政証明の名義:申請者本人または直系の家族名義であること。第三者の口座は原則認められません。預金は一定期間保有された実績が必要です。
- 英語テストの期限切れ:受験から1年を超えると無効。再受験が必要です。
- CoEの開始日とOSHCの開始日のズレ:OSHCはコース開始日の前から開始日以降までカバーする必要があります。
- オンライン英語テストの提出:Online版・At-Home版は2025年8月以降不可。
- オンショア切替えの誤解:観光や卒業生ビザから学生ビザへの国内切替えは2025年11月以降不可。
FAQ
Q. 日本から申請する場合の処理時間はどのくらいですか?
出願先の機関がPriority 1(大学・博士課程・政府TAFE等)かPriority 2かで大きく変わります。大学院・博士課程なら1〜4週間、それ以外の高等教育・VETは5〜8週間が目安です。最新の50%/90%パーセンタイル値は公式サイトで確認してください。
Q. 配偶者・子も一緒に渡豪できますか?
はい。同時または後追いで家族ビザを申請できます。18歳以上のパートナーはAUD 2,000、18歳未満の子はAUD 500の追加申請料に加え、財政証明額の上乗せが必要です。
Q. 日本国籍者はSSVFのEvidence Levelで有利ですか?
日本は比較的低リスク層に分類されており、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュなどEvidence Level 3(最高リスク)の国に比べると書類審査の厳しさは緩やかです。ただしGenuine Student要件は全員に適用されます。
Q. ビザが下りる前に渡豪してもよいですか?
いいえ。学生ビザはオフショア(海外滞在中)で申請・許可を受けるのが原則です。観光ビザで先に渡豪し、現地で切替えるルートは2025年11月以降使えません。
Q. 申請料は返金されますか?
原則として返金されません。CoEや英語スコア、財政証明を整えてから申請してください。
渡豪後の生活準備
ビザが下りたら、住居、銀行口座、Tax File Number、SIMカード、公共交通機関のOpalカード(NSW)やmyki(VIC)など、現地生活のセットアップを進めます。授業や日常会話で英語のスピードに苦戦する人も多いため、出発前から英語のリスニング・スピーキングを継続的に強化しておくと、現地での適応が早まります。
オーストラリアの大学・語学学校では授業外でも英語ネイティブと交流する機会が多く、語彙や口語表現を自分のペースで吸収できる学習環境を整えておくと役立ちます。実際の動画やニュース記事から自分の語彙帳を作りたい方は、try Migakuで母語話者向けコンテンツから直接学べます。