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外国人がカナダで住宅ローンを組む際の頭金条件と銀行選び

最終更新日: 2026年5月21日

外国人がカナダで住宅ローンを組む際の頭金条件と銀行選び

外国人がカナダで住宅ローンを組む場合、頭金は物件価格の20〜35%が標準で、購入できる対象者や地域は連邦法・州法で厳しく制限されています。本記事では、就労許可保有者や非居住者がカナダで融資を受ける際の頭金条件、銀行選びの実務、税金、よくある落とし穴を整理します。

Last updated: May 21, 2026

外国人がカナダで住宅を購入できる条件(2026年時点)

連邦の「非カナダ人による住宅購入禁止法」が2023年1月1日に施行され、2027年1月1日まで延長されています。そのため、まずは融資以前に「購入できる立場かどうか」を確認する必要があります。

対象となる物件は、国勢調査大都市圏(CMA、人口10万人以上)および国勢調査集積地(CA、人口1万人以上)にある3戸以下の住宅です。違反した場合、最大1万カナダドル(CAD)の罰金が科され、裁判所が物件の売却を命じることもあります。

一方、以下のケースでは購入が認められます。

  • 有効期限が183日以上残っている就労許可(ワークパーミット)保有者で、過去にカナダで住宅を購入していない方
  • 過去5年間カナダで税務申告を行い、各年244日以上カナダに物理的に滞在している留学生で、物件価格が50万CAD以下のもの
  • カナダ永住権保有者およびカナダ市民
  • 住宅用または混合用途で区画された空き地(2023年3月27日の改正で除外)

なお、2025年12月にカーニー政権の住宅大臣Gregor Robertsonが、2027年1月の禁止失効後の方針について正式なレビュー中であることを確認しています。オーストラリア型(新築・空地は可、既存住宅は禁止維持)も検討対象とされており、規制は今後変更される可能性があります。

頭金の具体的な水準と資金要件

カナダの大手銀行が外国人・非居住者に求める頭金は、物件価格・属性・カナダ国内の信用履歴の有無により異なります。

借り手の属性

頭金の目安

備考

永住権保有者(信用履歴あり)
5〜20%
CMHC保険の対象になる可能性あり
就労許可保有者(カナダ居住)
20〜25%
銀行・属性によって幅あり
非居住の外国人購入者
35%以上
RBC・TD・Scotiabankなど大手で要求

非居住者・一時居住者の場合、頭金資金は90日以上カナダの銀行口座に保有しておく必要があり、原則として贈与金は認められません。日本から送金する場合は、決済の数か月前にはカナダ国内の自分名義口座へ移しておくのが安全です。

また、非居住者は通常CMHC(カナダ住宅抵当公社)保険の対象外であるため、頭金を5〜10%に圧縮することはできません。

カナダ国内の銀行口座開設手続きについては、銀行口座開設と必要書類で書類リストの考え方を確認しておくと、現地での準備がスムーズです。

ストレステストと審査基準

連邦規制対象金融機関(OSFI監督下の銀行)が提供する非付保住宅ローンでは、契約金利+2%またはOSFIの最低資格金利5.25%のいずれか高い方でストレステストを通過する必要があります。たとえば契約金利が5.5%なら、7.5%で返済できる収入水準が求められます。

カナダ銀行の政策金利は2026年4月29日の会合で2.25%に据え置かれ、次回発表日は2026年6月10日です。市場金利はそれを基準に推移しますが、非居住者向けの個別金利は貸し手・物件・属性により大きく異なります。各カナダ大手銀行(RBC、TD、Scotiabank、BMO、CIBC)の非居住者向け融資ページで最新条件を確認してください。

審査では以下の書類が一般的に求められます。

  • パスポート、ビザまたは就労許可のコピー
  • 過去2年分の所得証明(源泉徴収票、確定申告書、雇用契約書)
  • 過去3か月分の銀行残高証明(頭金資金の出所証明)
  • 母国の信用情報レポート(日本ではCICまたはJICCの開示報告書を英訳)
  • 物件購入契約書(Agreement of Purchase and Sale)
  • カナダ国内の弁護士または公証人の連絡先

銀行選びとモーゲージブローカーの活用

外国人向け融資に対応している主なカナダの金融機関は次のとおりです。

  • RBC Royal Bank:International Mortgageプログラムで、米国・日本を含む非居住者の物件購入に対応。最低35%頭金。
  • Scotiabank:StartRightプログラムで、就労許可保有者・永住権申請中の方を対象に頭金10〜20%の融資枠あり。
  • TD Canada Trust:非居住者向け融資を提供。所得証明と頭金資金の透明性を重視。
  • HSBC Canada(CIBCに統合済):国際顧客向け融資の引き継ぎはCIBCで一部継続。
  • BMO Bank of Montreal:Newcomer向けプログラムで永住予定者をサポート。

複数行で条件が異なるため、認定モーゲージブローカー(Mortgage Broker)を経由するのが実務的です。ブローカーは複数行に同時打診でき、非居住者向け融資を扱うBラ ンダー(代替貸し手)にもアクセスできます。

物件購入と並行して賃貸からの引き継ぎを行う場合は、カナダでのアパート契約手続きも合わせて確認しておくと、家賃と住宅ローン支払いの二重負担期間を短縮できます。

州・市町村ごとの追加税金

カナダでは連邦法による購入規制に加え、州・市レベルで外国人購入者に対する追加税が課されます。これらは住宅ローンとは別建てですが、必要資金総額を大きく左右します。

オンタリオ州

  • 非居住者投機税(NRST):2022年10月25日より州全域で25%、通常の土地譲渡税(LTT)に加算。
  • トロント市町村非居住者投機税(MNRST):2025年1月1日より追加10%。トロント市内では合計35%。
  • 永住者NRSTリベート:購入後4年以内に永住権を取得し、購入後60日以内に主たる居住として使用するなどの条件で全額還付請求可能。
  • 2024年3月27日の改正により、コンドミニアム内の駐車場・倉庫スペース単独購入もNRST対象。

ブリティッシュ・コロンビア州

  • 追加譲渡税(APT):外国人購入者に20%。対象地域はメトロ・バンクーバー、フレーザーバレー、首都圏(ビクトリア)、セントラル・オカナガン、ナナイモ地区。
  • 通常PTT:$200,000まで1%、$200,001〜$2,000,000は2%、$2M〜$3Mは3%、$3M超は5%。
  • 投機・空室税(SVT):外国人所有者は2025年課税年で2%、2026年課税年から3%に引き上げ。
  • APT還付:購入完了日から1年以内にカナダ市民権または永住権を取得し条件を満たせば全額還付申請可能。BC PNP認証保有者は、主たる居住として使用する条件で免除対象。

バンクーバー市

  • 空き家税(Empty Homes Tax):2026年も継続、対象住宅の評価額の3%。

ノバスコシア州

  • 2025年4月、非居住者譲渡税を10%に倍増(ノバスコシア州外居住者全般に適用)。

連邦:未利用住宅税(UHT)

2022年1月1日施行で物件評価額の年1%、主に非居住非カナダ人所有者が対象でしたが、2025年連邦予算により2025年課税年以降は廃止されました。ただし2022〜2024年分の申告・納税義務は継続するため、過去年分の対応漏れがないか確認してください。

申請から決済までの流れ

  1. 事前審査(Pre-approval):銀行またはブローカーに収入・資産書類を提出し、借入可能額を把握。有効期間は通常90〜120日。
  2. 物件選定と購入オファー:購入禁止法の適用外であることを確認のうえ、Agreement of Purchase and Saleに署名。
  3. 本審査(Underwriting):物件評価(Appraisal)、所得再確認、ストレステスト通過確認。
  4. 法律手続き:カナダ国内の不動産弁護士または公証人(ケベック州)を選任。
  5. クロージング(決済):頭金、譲渡税、弁護士費用、登記費用などを送金。所有権登記。
  6. 保険加入:住宅総合保険(Home Insurance)は融資条件として必須。

医療保険を含めた生活インフラの整備も並行して進めましょう。学生や帯同家族についてはカナダ留学生の医療保険も参考になります。

よくある落とし穴

  • 頭金資金の証明不足:90日以上のカナダ国内口座保有が要件のため、決済直前の海外送金は審査拒否の原因になります。
  • 購入禁止法の対象を見落とす:地方都市でも国勢調査集積地(CA、人口1万人以上)に該当すれば適用対象です。
  • NRST・APTの還付期限を逃す:永住権取得後の還付申請には期限があり、必要書類の保管が必須です。
  • 賃貸運用時の源泉徴収:非居住者がカナダ物件を賃貸する場合、賃料総額に対し25%の源泉徴収が原則です。Section 216選定により純額課税に変更可能ですが、毎年の申告が必要です。
  • 売却時のクリアランス証明書:非居住者が売却する際、CRAからForm T2062によるクリアランス証明書を取得しないと、買主が売却額総額の25%を源泉徴収する義務を負います。
  • 規制改定の追跡漏れ:2027年1月の購入禁止失効後の方針は2026年内に明らかになる見込みです。購入計画は必ず最新情報で再確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 観光ビザで滞在中に住宅を購入してローンを組めますか?
A. 2027年1月までは連邦の購入禁止法により、観光ビザのみの非居住者は対象都市圏で住宅を購入できません。違反すると最大1万CADの罰金と売却命令の対象になります。

Q. 日本の収入だけでカナダの住宅ローンは通りますか?
A. 可能ですが、頭金35%以上、収入書類の英訳・公証、カナダ国内口座への資金移動が前提となります。RBCやScotiabankの国際顧客プログラムが代表的な選択肢です。

Q. 永住権申請中の場合、頭金は何%必要ですか?
A. 就労許可があり、カナダ国内で安定した収入と信用履歴があれば20〜25%が目安です。ScotiabankのStartRightなどNewcomer向けプログラムでは10〜20%の選択肢もあります。

Q. NRSTやAPTを後から取り戻せますか?
A. オンタリオ州NRSTは購入後4年以内の永住権取得などの条件で全額還付請求が可能、BC州APTは購入完了日から1年以内の市民権・永住権取得で還付申請が可能です。書類保管と期限管理が重要です。

Q. CMHC保険は使えますか?
A. 非居住者は通常CMHC保険の対象外です。永住権保有者で要件を満たせば利用可能で、頭金を5%まで下げられる場合があります。

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