日本人がアメリカで運転免許に切り替える方法と州別ルール
最終更新日: 2026年5月21日

アメリカに移住した日本人は、滞在する州が定める期間内(多くは10〜30日以内)に州発行の運転免許証へ切り替える義務があります。ワシントン州とハワイ州では日本との協定により試験が免除されますが、カリフォルニア州やニューヨーク州では筆記・実技試験が必要です。本記事では2026年時点の州別ルールと手続きを整理します。
Last updated: May 21, 2026
なぜ早めの切替が必要なのか
アメリカの運転免許制度は連邦ではなく州単位で運用されています。観光や短期出張であれば日本の運転免許証と国際運転免許証で運転できる州が多いものの、居住者となった時点で「短期滞在者」ではなくなり、州免許の取得が義務付けられます。
期限の例は以下の通りです。
- カリフォルニア州: 州内に住居を定めた日から10日以内
- ワシントン州: 移住後30日以内
- ニューヨーク州: 居住者になってから30日以内(90日以上の居住で「居住の推定証拠」とみなされる)
また、2025年5月7日からは連邦のREAL ID制度が本格運用されており、国内線への搭乗や連邦施設への入場には、REAL ID準拠の州免許証または有効なパスポートが必要です。州免許を切り替える際にREAL ID準拠版を申請するかどうかも合わせて検討しておく必要があります。なお非市民でもREAL ID準拠の標準免許は取得可能ですが、ニューヨーク州のEnhanced License(強化免許証)は米国市民しか申請できません。
州別の試験免除ルール
日本人にとって最も重要なのは、自分が住む州で学科・実技試験が免除されるかどうかです。日本政府と協定を結んでいる州では、有効な日本の運転免許保持者に対して試験が免除されます。
州 | 学科試験 | 実技試験 | 根拠 |
|---|---|---|---|
ハワイ州 | 免除 | 免除 | 2018年12月20日協定 |
ワシントン州 | 免除 | 免除 | 2017年1月4日協力覚書 |
カリフォルニア州 | 必要 | 必要 | 協定なし |
ニューヨーク州 | 必要 | 必要(5時間プレライセンス講習も必要) | 協定なし |
その他の州は州ごとにルールが異なります。テキサス州、フロリダ州、イリノイ州、メリーランド州など、独自の試験免除や軽減措置を設けている州もあるため、移住前に州DMVの公式サイトで確認してください。
共通して必要となる書類
州を問わず、おおむね以下の書類が必要です。
- 有効な日本のパスポート
- I-94入国記録(オンラインで取得可能)
- ビザ書類(F-1、H-1B、L-1、E-2、グリーンカード等)
- 社会保障番号(SSN)カード、またはSSN取得不可の証明書
- 州内居住を示す書類2種類(賃貸契約書、公共料金請求書、銀行明細など)
- 有効な日本の運転免許証
- 在外公館発行の「自動車運転免許証抜粋証明」(試験免除州で必須、その他州でも提出を求められる場合あり)
自動車運転免許証抜粋証明について
ハワイ州やワシントン州の免許申請には、管轄の日本総領事館で発行される「自動車運転免許証抜粋証明」が事実上の必須書類です。発行には以下の点に注意が必要です。
- 日本の運転免許証の原本が必要(2025年3月24日に運用開始した「マイナ免許証」は券面に免許情報が表示されないため受付不可)
- ハワイ申請の場合、日本の運転免許センターで取得した「運転免許経歴証明書」の日本語・英語両方の原本(発行日から3か月以内)が必要
- 手数料は領事館により異なり、2026年時点の正確な金額は窓口確認を推奨
なお在ロサンゼルス総領事館などでは2025年9月30日以降、e-証明書の発給対象を拡大しています。最新の手続き方法は所轄領事館サイトで確認してください。
州別の手続きの流れ
カリフォルニア州
- オンライン(dmv.ca.gov)または郵送でDL 44申請書を提出し、DMVの予約を取得
- ビザの残存期間が60日以上あることを確認
- DMV窓口で書類提出、視力検査、写真撮影、指紋採取
- 学科試験(コンピューター形式、複数言語対応で日本語も選択可能)
- 仮免許で練習
- 実技試験を予約・受験
- 合格後、一時免許証を受領。正式な免許証は3〜4週間で郵送
標準クラスCの新規・更新手数料は2026年時点で$46。実技試験に不合格となった場合、再受験までに14日の待機が必要で、再試験料は$7です。なおDMVが日本免許の裏面にスタンプを押す処理、または穴を空ける事例が在SF総領事館により報告されています。日本免許を一時的に手放すことになる可能性があるため、日本でも運転する予定がある人は処理方法について事前に確認を取ってください。
ワシントン州
- 在シアトル総領事館で「自動車運転免許証抜粋証明」を申請・受領
- ワシントン州DOL(Department of Licensing)窓口を予約
- 必要書類(パスポート、ビザ、I-94、SSN、住所証明、日本免許、抜粋証明)を提出
- 視力検査と写真撮影
- 学科・実技試験は免除
- 免許証は通常2〜3週間で郵送
ハワイ州
- 日本の運転免許センターで「運転免許経歴証明書」を取得(3か月以内のもの)
- 在ホノルル総領事館で「自動車運転免許証抜粋証明」を申請
- ハワイ州DMV(オアフ島はhonolulu.gov)窓口を予約
- 必要書類一式を提出し、視力検査と写真撮影
- 学科・実技試験は免除
- 申請料はDMV窓口で$40程度(2025年実績)
ニューヨーク州
- NY DMV事務所を予約し、MV-44申請書を準備
- 視力検査と書類提出
- 学科試験(permit test)受験
- 5時間プレライセンス講習を受講
- 実技試験を予約・受験
- 合格時、外国免許はDMV試験官に提出(返却されない場合あり)
- 一時的な写真なし書類を受領し、正式な免許証は約2週間で郵送
ニューヨーク州では他国の免許保有者にも筆記・実技試験の両方が課されます。日本免許を手元に残したい場合は、合格後の取扱いについて事前にDMVへ確認しておくのが安全です。
よくある落とし穴
- 国際運転免許証の過信: カリフォルニア州DMVは国際運転免許証を有効な運転免許として認めていません。居住者になった瞬間に「短期滞在者」とは扱われなくなる点に注意。
- マイナ免許証のみ持参: 領事館での抜粋証明発行や州DMVでの提示には、券面に情報が記載された従来の日本免許が必要です。アメリカ移住前に従来型免許証も併せて保持しておくと安全です。
- ビザ残存期間の不足: カリフォルニアでは申請時にビザ残存期間60日以上が要件。短期ビザの更新直前のタイミングは避けたほうが無難です。
- 居住証明書類の不備: 引越し直後で公共料金の請求書がない場合、賃貸契約書、銀行口座開設書類、雇用主からのレターなど代替手段を準備しておきましょう。
- 日本免許への処理: 州によっては外国免許への穴開け・スタンプ処理、または提出が求められます。日本帰国時の運転にも影響するため、再発行の手続きや代替の取扱いを事前に確認してください。
- アメリカ免許から日本免許への逆切替不可: 米国発行の国際免許証は日本では使えず、米国免許から日本免許への切替(試験一部免除)の制度も存在しません(警察庁2025年公表)。
よくある質問
Q. 観光ビザ(B1/B2)やESTAでの入国中に運転できますか?
A. 短期滞在の観光・商用目的であれば、日本の運転免許証と国際運転免許証の組み合わせで多くの州で運転可能です。ビザの種類や滞在資格による違いについてはアメリカビザの種類と違いやESTA申請時の注意点も参考にしてください。
Q. F-1学生ビザでも州免許は取得できますか?
A. はい、可能です。SSN取得済みであればスムーズに進みます。SSNを持たない場合は、SSAから「SSN交付不可レター」を取得して提出する州が多いです。OPT就労時の手続きについてはアメリカ滞在中の就労許可も参照してください。
Q. REAL ID準拠の免許とそうでない免許、どちらを取るべきですか?
A. 2025年5月7日以降、国内線搭乗や連邦施設入場にはREAL ID準拠の免許またはパスポートが必要です。パスポートを常時携帯したくない方は、追加書類を揃えてREAL ID準拠版を申請するのがおすすめです。なお2026年2月1日からはTSAがREAL ID未所持者向けに$45で10日間有効の「TSA Confirm.ID」サービスも開始しています。
Q. 日本に一時帰国中も日本で運転したいのですが?
A. 在ロサンゼルス総領事館は、マイナ免許証ではなく従来の日本の運転免許証+国際運転免許証の携帯を推奨しています。州DMVで日本免許に穴を空けられる前に、日本での運転計画を立てておくとよいでしょう。
Q. 試験は日本語で受験できますか?
A. カリフォルニア州など多くの州DMVの学科試験はコンピューター形式で日本語を含む複数言語に対応しています。ただし実技試験は英語での指示に従う必要があるため、基本的な運転用語の英語表現は事前に学んでおく必要があります。
アメリカで運転免許を切り替える過程では、DMV窓口や警察官との英語でのやり取りが避けられません。生活密着の英語表現を現地のニュース動画やドラマで学びたい方には、Migakuのような実コンテンツで学べるツールが日々の暮らしの助けになります。