ニュージーランドLong Term Skill Shortage List経由で永住権を狙う方法
最終更新日: 2026年5月23日

ニュージーランドの「Long Term Skill Shortage List(LTSSL)」を入口に永住権を取りたい、というのは2022年以前まで王道のルートでした。ただし現在、LTSSLは新規申請を停止しており、後継となる「Green List」に統合されています。本記事では、LTSSL掲載職種を起点に、現行のGreen List経由で永住権を狙う具体的な手順を解説します。
Last updated: May 23, 2026
LTSSLは現在どうなっているか
旧Long Term Skill Shortage List Work Visaは、2022年7月4日にAccredited Employer Work Visa(AEWV)へ置き換えられ、新規申請は受け付けていません。例外として、既にLTSSL Work Visaを保有しており、居住ビザの決定待ちの申請者に限り、最長30か月の再申請が可能です(申請料NZD $1,630から、80%が4週間以内に処理)。
また、LTSSLに加えて、Regional Skills Shortage List、Construction and Infrastructure Skill Shortage Listの3つも、すべて統合され、現在は Green List が唯一の不足職種リストとなっています。INZ公式サイトには2019年5月付の旧LTSSL PDFがまだ残っていますが、ビザ取得の根拠としては事実上使われていません。
つまり、「LTSSL職種で永住権」を狙う場合の正解は、自分の職種が現行のGreen Listに引き継がれているかを確認し、Green ListまたはAEWVのルートで申請することです。
Green Listの構造とTier 1・Tier 2の違い
Green Listは2階層構造で、永住権までの道のりが異なります。
階層 | 制度名 | 永住権までの道のり |
|---|---|---|
Tier 1 | Straight to Residence | NZでのジョブオファー取得後、即時に居住ビザ申請が可能 |
Tier 2 | Work to Residence | 認定雇用主の下で2年勤務後に居住ビザ申請 |
Tier 1には医師、IT専門職の一部、エンジニア、獣医師などが含まれ、Tier 2には登録看護師、建設・トレード系の多くの職種、教員などが含まれます。2025年8月18日には、特に技能・トレード分野で新職種がWork to Residenceパスウェイへ追加されました。
どちらの階層でも、居住ビザ申請時には申請者本人が 55歳以下 であることが条件です(Skilled Migrant Categoryと同じ年齢制限)。
自分の職種がGreen Listに該当するかの確認
旧LTSSLに掲載されていた職種でも、Green Listへの引き継ぎ状況は職種ごとに異なります。確認の流れは以下の通りです。
- INZ公式のGreen List職種一覧で職種名(旧ANZSCOコードまたは新National Occupation Listコード)を検索。
- Tier 1かTier 2かを確認。
- 必要な資格・登録(看護師ならNZNC登録、医師ならMCNZ登録など)を確認。
- 賃金条件、業務経験年数、必要なライセンスを確認。
2024年11月以降、職業分類はANZSCOから新しい National Occupation List(NOL) へ段階的に移行中で、毎年更新されています。2026年3月9日にはNOLのスキルレベル1〜3に該当する47職種が新たにAEWVの対象として認められました。
賃金要件(2026年3月9日施行)
Green ListやAEWVには複数の賃金閾値が存在し、混同しやすい部分です。最新の数字は以下の通り。
項目 | 金額(NZD) | 適用開始 |
|---|---|---|
移民用中央賃金 | $35.00/時間 | 2026年3月9日 |
Green Listパートナー支援賃金 | $35.00/時間 | 2026年3月9日 |
スキルレベル1〜3パートナー支援賃金 | $28.00/時間 | 2026年3月9日 |
法定最低賃金 | $23.95/時間 | 2026年4月1日 |
なお、AEWVの一般中央賃金要件は2025年3月に撤廃されましたが、家族帯同や関連設定では中央賃金が依然として基準として残っています。職種ごとに業界別の中央賃金が紐付けられているため、ジョブオファーの時給は必ず職種別の閾値と照らし合わせて確認してください。
申請の流れ:ジョブオファーから永住権まで
Green List経由で永住権を取得するまでの一般的なステップを整理します。
- 認定雇用主からのジョブオファー取得:雇用主がAEWVの認定(accreditation)を持っていることが大前提。2026年3月時点で認定雇用主は29,000社以上。
- Job Check承認:雇用主側で14日間以上の求人広告を出し、ニュージーランド人雇用の努力義務を満たした上で、INZにJob Checkを申請。承認後は6か月間有効で、求人広告終了から90日以内の申請が必須。
- AEWV申請:申請者本人がAEWVを申請。申請料はNZD $1,540(2024年10月1日にNZD $750から倍増)。
- 入国・就労開始:AEWVの最長滞在期間は職種により異なり、大多数で5年、ANZSCOスキルレベル4〜5職種では3年。
- 居住ビザ申請:Tier 1ならジョブオファーがあれば即時、Tier 2なら2年勤務後に居住ビザ(永住権)を申請。
なお、ANZSCOスキルレベル4〜5の職種では、英語要件と雇用前のWork and Incomeとの協議が追加で求められます。
雇用主側のコストと認定区分
認定雇用主スキームの主な料金体系は次の通りです。求職活動の際、雇用主側の負担を理解しておくと交渉がスムーズです。
認定区分 | 申請料(NZD) |
|---|---|
Standard認定(最大5名の移民雇用) | $775 |
High-volume認定(6名以上) | $1,280 |
Triangular認定 | $4,060 |
Job Check申請 | $735 |
2025年12月8日からは、季節労働向けに Global Workforce Seasonal Visa(GWSV)と Peak Seasonal Visa(PSV)が認定雇用主スキームに導入されました。永住権ルートとは直接の関係はありませんが、農業・園芸分野での入口として検討する価値はあります。
よくある落とし穴
- 「LTSSL」という名称への固執:英文の古いブログや旧名のリストを参考にすると、申請不可のビザに辿り着くおそれがあります。必ずGreen Listを起点に確認してください。
- 認定雇用主の信頼性:MBIEには2022年7月以降、認定雇用主に対する苦情が8,794件寄せられ、5,776社に対し8,246件の事後監査が実施されました。これまでに1,316社の認定が取り消され、845社が停止されています。雇用契約前に、雇用主が現時点で認定リストに掲載されているかを必ずINZサイトで確認しましょう。
- 賃金要件の見落とし:時給が職種別の中央賃金を下回ると申請却下の原因になります。週給・年俸ではなく時給ベースで計算してください。
- 年齢制限:55歳の誕生日を過ぎると、Green List経由での居住ビザは申請できません。50代で計画する場合はスケジュールに余裕を持たせる必要があります。
- 資格認定の手続き漏れ:医療・教育系職種では、職能団体(Medical Council、Teaching Councilなど)への登録手続きがビザとは別に必要で、半年以上かかるケースもあります。
ニュージーランド以外も視野に入れている方は、オーストラリアの就労ビザ要件もあわせて検討するとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. LTSSL Work Visaは本当にもう申請できないのですか?
A. 新規申請は受け付けていません。既にLTSSL Work Visaを保有し、居住ビザの決定待ちの申請者のみが再申請可能です。
Q. Skilled Migrant Category(SMC)との違いは?
A. SMCは6ポイント制に簡素化されており、Green Listに該当しない職種でも、学歴・職務経験・収入のポイントで永住権を狙えるルートです。2026年8月には新たなパスウェイが導入予定です。Green ListはSMCより明確かつ短いルートで、特にTier 1は最短ルートとなります。
Q. 家族の帯同は可能ですか?
A. AEWV保有者は、賃金要件を満たせばパートナーと子どもを帯同できます。パートナー支援賃金はGreen List職種で時給NZD $35.00、スキルレベル1〜3で$28.00(2026年3月9日施行)。
Q. 英語要件はどの程度ですか?
A. Green ListのTier 1・Tier 2自体には統一の英語スコア要件は明示されていませんが、ANZSCOスキルレベル4〜5の職種では別途英語要件があります。職能団体登録(看護師・医師など)では IELTS 7.0相当が求められることが一般的です。
Q. 申請後の処理時間の目安は?
A. リアルタイムでINZの公式ページに掲載されています。確定値が必要な場合は immigration.govt.nz のvisa processing timesページを確認してください。
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