ニュージーランドから日本へ給料を送金する方法と手数料比較
最終更新日: 2026年5月19日

ニュージーランドから日本に給料や貯金を送る方法は、銀行の国際送金(SWIFT)、Wiseなどの送金専門サービス、Xe Money Transferといったオンラインプラットフォームの3つが中心です。手数料、為替レートのマークアップ、所要日数、そして両国の法的な届出義務を踏まえて選ぶのが、結論として最もコストを抑える近道になります。
Last updated: May 19, 2026
まず押さえるべき送金の選択肢
ニュージーランド在住の日本人ワーカーや留学生が日本の口座(家族口座を含む)に送金する場合、現実的に使われているのは次の経路です。
- ニュージーランドの銀行(ANZ、BNZ、Westpac、ASBなど)からのSWIFT国際送金
- Wise(旧TransferWise)など資金移動業者によるオンライン送金
- Xe Money Transfer、OFX、CurrencyFairなどの専業ブローカー
- 現金を手荷物として持ち帰る方法(後述する申告義務あり)
Monitoが2025年に集計したデータでは、NZD→JPYルートにおける最安プロバイダの総コストは送金額の約0.8%、銀行経由のSWIFT送金は為替マークアップを含めると平均20.6%に達するという結果が出ています。送金額が大きいほど、銀行直送とオンライン送金サービスのコスト差は無視できないものになります。
ニュージーランドでの口座開設や生活費の感覚についてはNZ銀行口座の開設方法やクライストチャーチの生活費も参考になります。
主要サービスの手数料比較(2026年5月時点)
以下は公開情報に基づく代表的な手数料です。為替レートのマークアップは別途発生し、これが実質コストの大半を占める点に注意してください。
サービス | 送金手数料の目安 | 為替の扱い | 上限 | 所要日数 |
|---|---|---|---|---|
Wise | NZD 1,000送金で約5.65 NZD(残高利用時) | ミッドマーケットレート | 大口割引はNZ$44,000相当超で適用 | 74%が20秒以内、95%が1日以内 |
Xe Money Transfer | 送金額により変動(公式サイトで都度提示) | レートにマークアップ含む | オンラインでNZ$2,500,000まで | 1〜4営業日 |
ANZ NZ(goMoney/インターネットバンキング) | ANZ送金手数料は無料、ただしJPY向けはOUR Fee別途 | レートにマークアップ含む | アプリNZ$10,000/IBはNZ$50,000 | SWIFTで通常1〜2営業日 |
ANZ NZ(窓口の電信送金) | NZ$9.00 | レートにマークアップ含む | 窓口で要相談 | SWIFTで通常1〜2営業日 |
Wiseの送金額がNZ$44,000相当を超える場合、手数料率が一段引き下げられる「large amount fee」が適用されます。短期で頻繁に小口を送るのか、年に数回まとめて送るのかで最適なサービスは変わります。
BNZ、Westpac、ASBはJPY向けの最新手数料を網羅的に公表していないため、それぞれの公式手数料表(bnz.co.nz、westpac.co.nz、asb.co.nz)で送金前に確認してください。
日本側で発生する受取コスト
送り手側の手数料だけを比較するのは不十分です。日本の銀行で外貨建て送金を受け取る場合、被仕向送金手数料や為替手数料(TTBレートに含まれる)が差し引かれます。
- 三菱UFJ銀行:被仕向送金手数料は原則2,500円。加えてTTBレートでの円貨両替時に為替手数料が含まれます。
- 三菱UFJ銀行は2026年10月1日および12月14日に手数料体系を一部改定する予定で、国内他行からの外貨建送金について外貨取扱手数料を新たに申し受ける旨が公表されています。
- 日本の銀行はSWIFT経由の受取で1,000〜2,500円程度の受取手数料を徴収するケースが多く、SWIFT送金の所要日数は1〜2営業日が標準です。
Wiseの場合は日本国内の現地ACH送金として処理されるため、受取銀行の被仕向送金手数料を回避できるケースが多く、これが総コストを下げる主要な要因になっています。Wiseは2024年に日本で第一種資金移動業者の認可を受けたため、100万円超の送金も同社経由で扱えるようになりました。
ニュージーランド側の法的義務
ニュージーランドから現金(または持参可能な金融商品=BNI)を持ち出す場合、NZ$10,000以上(外貨同等額を含む)であればBorder Cash Report(NZCS 337)を税関に提出する義務があります。これは「マネーロンダリング及びテロ資金供与対策法2009(AML/CFT Act)」に基づく義務です。
- 提出方法:ニュージーランド税関のオンラインフォームから渡航前72時間以内に提出可能。空港到着時に未提出であれば、係官から紙の様式を渡されます。
- 違反した場合の罰則:最大NZ$10,000の罰金、3か月以下の禁固刑、またはその両方。
銀行送金やWise経由の電子送金そのものにはこの申告は不要ですが、現金を手荷物で持ち帰る場合は必ず申告してください。
日本側の届出義務と税務上の論点
日本に住む受取人、または日本に資金を持ち込む側は、以下の規制と税務上のポイントを把握しておく必要があります。
- 現金携帯輸入:1,000,000円相当を超える現金・有価証券を携帯して入国する場合、税関に「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」の提出が義務です(北朝鮮向けは10万円基準)。
- 国外送金等調書:金融機関を通じた100万円超の国外送金・受領について、金融機関が「国外送金等調書」を税務署に提出します。2009年4月から、それまでの200万円超基準が100万円超に引き下げられた現行ルールが続いています。
- 国外財産調書:12月31日時点で合計5,000万円超の国外財産を有する居住者は、翌年6月30日までに「国外財産調書」の提出義務があります。
- 外為法上の支払等報告書:貿易代金決済以外で3,000万円相当額を超える送金・受領を行う場合、日本銀行宛に「支払又は支払の受領に関する報告書」の提出が必要です(FAQは2026年4月版が日本銀行国際局より公表)。
- CRS(共通報告基準):日本の国税庁はニュージーランドを含むOECD加盟国と非居住者の金融口座情報を定期的に交換しています。「申告しなければ分からない」という前提は通用しません。
- 贈与税:受取送金が「贈与」と分類される場合、受取人に贈与税が課される可能性があります(暦年課税の基礎控除は110万円)。自分名義の口座への送金は贈与に当たりませんが、家族口座への送金は注意が必要です。
外為法違反には「5年以下の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金、又はこれを併科」などの罰則規定があります。額が大きいほど、事前に税理士へ相談する価値があります。
失敗しやすいポイント
- 為替レートのマークアップを見落とす:銀行のSWIFT送金は「手数料無料」と書かれていても、TTBレートに含まれるマークアップでコストが膨らみます。Monitoの2025年集計で銀行平均が20.6%に達するのはこのためです。
- 受取側の手数料を計算に入れない:三菱UFJ銀行で2,500円、加えて為替手数料。送金額が小さいと相対的に重くなります。
- 100万円超を分割しても国外送金等調書の対象:金融機関は1回の送受金で100万円超を捕捉するため、意図的な分割(ストラクチャリング)はリスクが高い行為です。
- 現金持ち出しの申告漏れ:NZ$10,000基準と日本側の100万円基準の両方をクリアする必要があります。
- アプリの送金上限:ANZ NZのgoMoneyアプリはNZ$10,000、インターネットバンキングはNZ$50,000が上限。大口はインターネットバンキングか窓口を利用します。
よくある質問
Q. Wiseで100万円超を日本に送れますか。
A. はい。Wiseは2024年に日本で第一種資金移動業者の認可を受けたため、100万円以上の海外送金も取り扱えます。ただし送金額がNZ$44,000相当を超えると手数料体系が変わるため、レシートで実額を確認してください。
Q. 給料を毎月日本の親口座に送ると贈与税の対象になりますか。
A. 受取人(親)の名義に振り込む形であれば、原則として贈与とみなされる可能性があります。暦年課税の基礎控除110万円を超える部分が対象です。自分名義の日本口座に送る場合は贈与ではありません。
Q. ANZ NZからの送金で「OUR Fee」とは何ですか。
A. 中継銀行・受取銀行の手数料を送金人側が前払いする仕組みです。これを支払うと受取人は満額に近い金額を受け取れますが、総コストは上がります。受取人負担(BEN)にすると到着額が減ります。
Q. SWIFT送金は何日かかりますか。
A. 標準は1〜2営業日です。Wise経由のNZD→JPY送金は95%が1日以内、74%が20秒以内に着金します。
Q. 留学生でも同じ規制が適用されますか。
A. はい。居住者・非居住者の区分は税務上の論点に影響しますが、税関の現金申告義務や金融機関の国外送金等調書の提出義務は留学生にも適用されます。留学生向けの背景情報はニュージーランド留学生向け情報も参考にしてください。
まとめにかえて
小口(NZ$5,000未満)であればWiseがコスト・スピードともに優位、中口から大口ではWiseの大口割引かXe Money Transferを比較し、銀行直送は緊急時や既存の取引関係がある場合に限るのが現実的です。送金前に必ず両国の届出義務と受取側手数料を確認してください。
ニュージーランドでの生活や日本との行き来を続けるなら、現地の言葉に強くなることで銀行窓口や役所の手続きが一気にスムーズになります。Migakuは映画やニュースなど実際のコンテンツから語学を伸ばせるツールなので、移住・滞在中の学習に向いています。try Migaku。