イギリスで国際免許の期限が切れたら?日本免許を現地免許に切り替える方法
最終更新日: 2026年5月19日

イギリスで国際運転免許証(IDP)の期限が切れたあとも合法的に運転を続けるには、日本の運転免許を英国の運転免許(GB免許)に切り替える必要があります。日本はDVLAの「指定国(designated countries)」に含まれているため、学科・実技試験なしで切替が可能ですが、申請期限と必要書類に厳格なルールがあります。
Last updated: May 19, 2026
イギリスでの国際免許の有効期限と切替の必要性
日本の公安委員会が発行する国際運転免許証(1949年ジュネーブ条約に基づくもの)は、発行日から1年間有効です。ただし英国内で運転できるのは、原則として英国に居住を開始してから最初の12か月間に限られます。この12か月を過ぎると、IDPの紙の有効期限が残っていても、英国では運転資格を失います。
つまり、長期滞在者にとって本当に重要な期限は「IDPに印字された日付」ではなく、「英国居住開始から12か月」のほうです。この期限が来る前に、日本免許をUK免許へ切り替えるか、もしくはDVLAの仮免許を取得して試験を受けるかを判断する必要があります。
日本は2026年時点でDVLAの指定国・地域22か国・地域のリストに含まれているため、試験なしの切替が選択できます。指定国に含まれているのは日本のほか、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、韓国、シンガポール、スイス、台湾、香港、UAEなどです。米国、中国、インド、ブラジルなどは指定国ではないため、これらの国の免許保持者は仮免許を取得して試験を受け直す必要があります。
切替の対象者と申請期限
DVLAへの切替申請(D1様式)を行うには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 英国(GB)に通常居住していること(Great Britain: イングランド、スコットランド、ウェールズ)
- 日本の運転免許が現時点で有効であること(失効していないこと)
- 英国に居住を開始してから5年以内であること
- 18歳以上であること(車種により下限あり)
北アイルランドに居住している場合は、DVLAではなくDVA(Driver and Vehicle Agency)が管轄となり、申請先と一部の規則が異なります。
注意したいのは「居住開始から12か月以内に切り替えなければならない」と誤解されがちな点です。正しくは、12か月を超えると外国免許のままでは運転できなくなる一方で、切替申請自体は居住開始から5年以内であれば可能です。ただし、12か月から切替完了までの空白期間は運転できないため、IDPの期限内に切替手続きを始めるのが現実的です。
必要書類のチェックリスト
DVLAへの切替申請には、次の書類を揃えます。
- 記入済みのD1様式(郵便局またはGOV.UKから入手可)
- 有効な日本の運転免許証(原本)
- 駐英日本国大使館または在エディンバラ総領事館発行の公式翻訳(原本)
- 身分証明書類(英国パスポート、BRP、シェアコードなど)
- 過去3年以内に撮影されたパスポートサイズの写真(D1様式の指示通り)
- 手数料£43分の小切手または郵便為替(payable to "DVLA, Swansea"。現金不可)
最大の落とし穴は「公式翻訳」です。DVLAは未翻訳の日本免許を受理しません。一般の翻訳会社や個人の翻訳ではなく、駐英日本国大使館(ロンドン)または在エディンバラ総領事館が発行する公式翻訳が必須です。
大使館の公式翻訳は、申請受付からおよそ4営業日で発行されます。エディンバラ総領事館では受領から5営業日が目安です。郵送のやり取りを含めると、トータルで2週間程度を見込んでおくと安全です。翻訳手数料は領事館で別途案内されているため、最新額は各館の公式案内で確認してください。
切替の申請手順
手順は次の流れになります。
- D1様式を入手する。 郵便局のカウンターで無料で受け取れます。オンライン申請は外国免許の切替には使えないため、必ず紙の様式を使います。
- 大使館で日本免許の公式翻訳を取得する。 ロンドンの駐英日本国大使館またはエディンバラ総領事館に申請します。郵送申請も可能で、案内はそれぞれの公式サイトに掲載されています。
- D1様式に記入する。 住所欄は英国の現住所、生年月日、身分証番号(パスポート番号やBRP番号)を正確に書きます。
- 書類一式をDVLAに郵送する。 送付先はD1様式に印字されている住所(DVLA, Swansea, SA99 1BT が一般的)です。日本の免許原本、公式翻訳、身分証明書類、£43の小切手を同封します。トラッキング可能な郵送方法(Royal Mail Signed For 1stなど)を使うことを強く推奨します。
- DVLAの処理を待つ。 標準的な処理期間は2〜3週間ですが、繁忙期や書類不備があれば長引きます。この間も、IDPと日本免許の双方が手元にない状態になるため、運転はできません。
- UK免許(写真付きカード)を受領する。 後日、原本の日本免許も別便で返却されます。日本免許の返却は、DVLAから駐英日本国大使館を経由して本人へ返される運用が一般的です。
費用と処理期間のまとめ
項目 | 金額・期間(2026年時点) |
|---|---|
DVLA切替手数料(D1) | £43 |
支払い方法 | 小切手または郵便為替のみ |
大使館公式翻訳(東京管轄=ロンドン) | 約4営業日 |
エディンバラ総領事館翻訳 | 受領から5営業日 |
DVLA処理期間 | 通常2〜3週間 |
英国IDP(参考) | £5.50(PayPoint店頭、現金/カード) |
参考までに、英国居住者が日本など海外に行く際に必要となる英国発行のIDPは、2024年4月以降、郵便局では発行されなくなり、PayPoint加盟店(コンビニや新聞販売店内に設置、全国2万8千店以上)での対面申請のみとなりました。1949年条約IDPの有効期間は12か月、1968年条約IDPは3年または英国免許の有効期限のいずれか早い方までです。
指定国でない国(米国・中国・インド等)の免許から切り替える場合は、仮免許(オンライン£34/郵送£43)、学科試験£23、実技試験(平日)£62が必要で、コスト・所要期間ともに大幅に増えます。日本免許保持者がこのルートを取る必要はありません。
よくある落とし穴
- 公式翻訳を一般翻訳会社に依頼してしまう。 DVLAは大使館・総領事館の発行する翻訳しか受理しません。やり直しで数週間のロスになります。
- 日本免許の有効期限切れ。 切替申請時点で日本の免許が失効していると受理されません。日本に一時帰国して更新するか、在英大使館で在外更新の可否を確認します。
- 居住開始から5年を超えてしまう。 この期限を過ぎると、指定国ルートでの試験免除は使えず、ゼロから英国の学科・実技試験を受け直すことになります。
- 手数料を現金や銀行振込で送る。 DVLAは小切手か郵便為替のみ受け付けます。英国の銀行口座を持っていない場合は、郵便局で郵便為替(postal order)を購入するのが確実です。
- IDP期限ギリギリで申請する。 申請から免許受領まで運転できない空白期間が生じます。通勤や子どもの送り迎えに車が必須な場合は、生活への影響を逆算して早めに動きます。
- 住所変更を忘れる。 切替後にUK免許を取得した後、引越しをしたら速やかにDVLAに住所変更を届け出る義務があります。怠ると£1,000までの罰金対象です。
- 北アイルランドとGBの混同。 北アイルランド居住者はDVAに申請します。GB用のD1様式をDVLAに送っても処理されません。
FAQ
Q. IDPの期限が切れた後、切替が完了するまで運転できますか?
A. できません。居住開始から12か月を過ぎ、かつUK免許を受け取っていない期間は無免許運転になります。
Q. 日本免許の原本は戻ってきますか?
A. はい。DVLAから駐英日本国大使館を経由して本人に返却される運用です。返却まで数週間かかります。
Q. AT限定の日本免許でもUK免許に切り替えられますか?
A. 切替可能ですが、UK免許もAT限定(automatic only)で発行されます。MTを運転するには別途実技試験が必要です。
Q. 国際免許を日本で再取得すれば永遠に英国で運転できますか?
A. できません。英国居住者は居住開始から12か月以降、外国免許やIDPでは運転できません。新しいIDPを日本で取得しても、英国内では効力を持ちません。
Q. 短期滞在(留学・出張)ならIDPで十分ですか?
A. 12か月以内かつ非居住者扱いであれば、日本のIDP(1949年条約)で運転可能です。長期ビザで居住を開始する場合は切替が前提となります。
Q. 北アイルランドに住んでいます。手続きは同じですか?
A. いいえ。北アイルランドはDVA(Driver and Vehicle Agency)管轄です。様式・送付先・一部の運用がGBと異なるため、nidirect.gov.uk の案内を確認してください。
関連情報
英国での生活設計全般については、ビザ・医療・運転のいずれもタイミングが重なりやすいので、早めに情報を整理しておくと安心です。
英国に長く住むなら、運転免許の切替と並行して英語での書類読解・電話対応の力をつけておくと、DVLAや大使館とのやり取りがぐっと楽になります。実際の英語ニュースや動画を教材にして学びたい方は、try Migaku で生活と直結した英語学習を始められます。