イギリス料理はまずいは嘘?現地で食べたい絶品ローカル10選
最終更新日: 2026年5月16日

「イギリスの食事はまずい」と耳にしたことのある方は多いはずですが、結論から言えばこれは半分嘘で、半分は古い情報です。2026年版ミシュランガイド英国・アイルランドでは3つ星が10軒、1つ星が192軒、2つ星が28軒を数え、ロンドンだけで11,400軒以上のレストランが営業しています。問題は「何を、どこで食べるか」を知っているかどうかです。
Last updated: May 16, 2026
「まずい」評判はどこから来たのか
イギリス料理の悪評は、第二次世界大戦中から1950年代初頭まで続いた食料配給制度の影響が大きいと言われています。砂糖、肉、バターが長期にわたり制限され、味の記憶が世代を超えて固定化されました。さらに、TasteAtlasが約60万件の読者投票をもとにまとめた「イングランドのまずい料理62選」では、ジェリード・イール(うなぎのゼリー寄せ)が評価2.1%で最下位、続いてマーマイト、キュウリのサンドイッチ、クリスマス・プディングが並びました。こうした極端な伝統料理のイメージが「イギリス=まずい」の図式を作っています。
一方で、同じTasteAtlasの「英国料理トップ100」には17,604件の評価が集まり、世界の「ベスト料理」の一つにイングランド料理が選ばれている事実もあります。Statistaも「国際的に料理面で最高評価を得ているわけではないが、数百軒のミシュラン星付きレストランを擁するファインダイニングは世界トップクラス」と分析しています。つまり、嘘ではないが現状を正しく反映していない、というのが2026年の答えです。
数字で見る2026年のイギリス食シーン
以下は現在のイギリス外食産業の規模感です。
指標 | 数値 | 年 |
|---|---|---|
ミシュラン3つ星 | 10軒 | 2026 |
ミシュラン2つ星 | 28軒 | 2026 |
ミシュラン1つ星 | 192軒 | 2026 |
ビブグルマン | 187軒 | 2026 |
ロンドンのレストラン数 | 11,400軒以上 | 2025 |
英国フードサービス市場規模 | 約1,048億ドル | 2025 |
英国レストラン業界従業員数 | 約468,000人 | 2024 |
世界の3つ星レストラン数で英国は第7位。首位フランス(31軒)、2位日本(20軒)、3位スペイン(16軒)に次ぐ位置にいます。ロンドンには約270の国籍の住民が暮らしており、欧州料理が外食売上の46.78%を占める一方、アジア料理は21%、ラテンアメリカ料理は2031年までCAGR7.79%で成長予測です。「まずい」と切り捨てるには、選択肢があまりに豊富です。
現地で食べたい美味しいローカル料理10選
旅行や駐在で押さえておきたい、評判を裏切る10品をまとめました。
1. クロテッドクリーム・アイスクリーム
TasteAtlas「英国料理トップ100」第1位。デヴォンやコーンウォールで作られる脂肪分の高いクリームを使った濃厚なアイスです。
2. ブリスケット(英国式)
同ランキング第2位。低温でじっくり調理した牛の胸肉で、パブ・ガストロパブの定番に成長しています。
3. フィッシュ&チップス
海沿いの町で揚げたてを食べると印象が一変します。タラやハドックの新鮮さで味がまったく変わる料理です。
4. サンデーロースト
日曜日にパブで提供されるロースト肉、ヨークシャープディング、グレイビーソースのセット。パブのメインコースは2026年で15〜22ポンドが相場です。
5. カレン・スキンク
スコットランド発祥の燻製ハドックとジャガイモのスープ。TasteAtlasランキング第6位の実力派です。
6. フィレステーキ/ポーターハウスステーキ
英国産アバディーン・アンガス牛などを使った熟成ステーキは、同ランキング第4位・5位を占めています。
7. チキン・ティッカ・マサラ
2001年に当時のロビン・クック外相が「真の英国国民食」と宣言した一皿。インド系移民の長い歴史が生んだ、現代イギリスを象徴する料理です。
8. フル・イングリッシュ・ブレックファスト
ベーコン、ソーセージ、ベイクドビーンズ、卵、グリルトマト、マッシュルーム、ブラックプディングの定番セット。朝から重いと敬遠されがちですが、質の良いカフェで食べると別物です。
9. コーニッシュ・パスティ
コーンウォール地方発祥、EUの保護指定産地表示(PGI)を持つ伝統的なミートパイ。テイクアウトで3〜6ポンド程度。
10. アフタヌーンティー
伝統的なスコーン、フィンガーサンドイッチ、ケーキのセット。ロンドン中心部の相場は35〜85ポンドで、2025年版で2つ星に昇格したThe Ritzなどが提供しています。
価格の目安(2026年・ロンドン)
外食の価格帯を把握しておくと予算管理が楽になります。
カテゴリ | 一人あたり価格 |
|---|---|
スーパーマーケットの惣菜 | 3〜8ポンド |
手頃なレストラン | 12〜25ポンド |
中級レストラン | 30〜55ポンド |
ファインダイニング | 75〜150ポンド以上 |
パブのメインコース | 15〜22ポンド |
ビール1パイント | 5.50〜7.50ポンド |
アフタヌーンティー | 35〜85ポンド |
Moor Hall(3つ星)ディナー | 235ポンド |
Moor Hall ランチ | 125ポンド |
ロンドンでの一人あたり外食平均は2023年9月時点で約30ポンドという調査もありますが、2025年のテイクアウェイ価格は2000年比で2倍以上、2022年以降に急上昇した点に注意してください。英国の食品インフレ率は2026年に年平均4.4%、年末には3.1%への減速が予測されています(Food and Drink Federation)。
「まずい」と感じやすい失敗パターン
現地で残念な食事に当たる人には、いくつか共通点があります。
- 観光地のド真ん中でメニュー写真だらけの店に入る(レスタースクエア、コヴェントガーデン中心など)
- 駅構内のチェーンサンドイッチで一日三食を済ませる
- パブで「とりあえずフィッシュ&チップス」を平日昼にチェーン店で頼む
- ホテル朝食を全国どこでも同じだと思い込む
- 伝統料理=ジェリード・イールやスティーキー・キドニープディングなど挑戦的な品から入る
代わりに、Google MapsやTime Out、ミシュランガイド、ビブグルマン(2026年版で187軒)を事前に確認することをおすすめします。ロンドン以外でもL'Enclume(カンブリア)やMoor Hall(ランカシャー)など、地方にも3つ星レストランが存在します。
駐在・長期滞在者向けの食費の現実
短期旅行と長期滞在ではコスト感が変わります。英国の平均的世帯の年間食費は、自宅消費が3,877ポンド、外食・テイクアウェイが1,419ポンド(2025年11月時点)。英国の食品・非アルコール飲料価格は2022年1月から2024年1月にかけて約25%上昇しました(直前10年は9%)。2025年には英国人の90%がレストランで食事をし、84%がテイクアウェイを注文しています(Mintel調査)。
自炊と外食をうまく組み合わせるのが現実的です。Tesco、Sainsbury's、Waitroseなどのスーパーでは英国産チーズ、ソーセージ、季節野菜の質が高く、惣菜コーナーも3〜8ポンドで充実しています。
旅行や移住前の準備として、イギリス観光ビザの申請方法、近隣アイルランドでの暮らしを比較したい場合はダブリン生活費の現実やアイルランド医療制度の実態も合わせて確認しておくと判断材料が増えます。
よくある質問
Q. イギリスで食事に困ったらどこに行けばいい?
A. インド料理、中東料理、中華、ベトナム料理など移民系コミュニティの店が安定して美味しく、価格も抑えめです。ロンドンのブリックレーン、サウソール、エッジウェアロード周辺などが代表例です。
Q. パブ料理は本当に美味しい?
A. ガストロパブと呼ばれる料理に力を入れた店なら期待できます。サンデーローストは日曜限定なので事前予約推奨です。
Q. ベジタリアン・ヴィーガン対応は?
A. 英国は欧州でもヴィーガン対応が進んだ国で、チェーン店からファインダイニングまで選択肢が豊富です。
Q. 水道水は飲める?
A. 英国全土で水道水は飲用適格です。レストランでも「tap water, please」と頼めば無料で提供されます。
Q. 結局「まずい」は嘘なの?
A. 2026年現在、ジェリード・イールのような一部の伝統料理を除けば、ロンドン85軒の星付きレストランを筆頭に世界水準の食事ができます。古い評判に振り回されず、店選びさえ間違えなければ「美味しい」が普通です。
海外生活を始めるとき、現地の言葉でメニューを読めたりレシピ動画を理解できたりすると、食の楽しみは何倍にも広がります。英語含む多言語をネイティブのコンテンツから学ぶなら、try Migakuで自分のペースで始めてみてください。