Family Visaで子供を連れてイギリスに移住する方法と家族帯同手続き
最終更新日: 2026年5月27日

イギリスのFamily Visa(家族ビザ)では、英国市民または定住者であるパートナーに帯同する形で、扶養子供(dependant child)を一緒に呼び寄せることができます。子供は主申請者と同じタイミング、あるいは後から追加申請することも可能ですが、料金・必要書類・親権同意書など、独自の条件をクリアする必要があります。
Last updated: May 27, 2026
子供同伴Family Visaの基本要件
イギリスのFamily Visa(Appendix FMの子ルート)で子供を同伴する場合、Home Officeは以下の条件を満たすことを求めています。
- 子供が申請時点で 18歳未満 であること
- 未婚 で、独立した世帯を持っていないこと
- 申請者(親)の 養育下 かつ 経済的扶養下 にあること
- 英国側のスポンサーが英国市民、settled person、難民または人道保護資格保持者であること
- 子供が申請者の 生物学的子・養子・継子 のいずれかに該当すること
また、申請者夫婦には2024年4月11日以降の新規申請から 年収£29,000 の最低収入要件(Minimum Income Requirement)が課されます。旧ルールにあった「第1子£3,800、追加子£2,400」の加算は廃止され、子供の人数にかかわらず一律£29,000です。
貯蓄で要件を満たす場合は (年間不足額 × 2.5) + £16,000 の計算式が使われ、収入ゼロから貯蓄のみで£29,000要件を満たすには £88,500 が必要。さらに、その貯蓄は申請日前 6か月連続 で保有している実績が求められます。
なお、2024年4月11日より前にパートナールートで初回ビザを取得した方は経過措置の対象となり、延長申請時には旧ルールの £18,600 + 第1子£3,800 + 追加子£2,400 が適用されます。
必要書類のチェックリスト
子供を同伴申請する場合、親本人の書類に加えて子供分の書類を漏れなく揃える必要があります。
- 子供のパスポート(有効期限に余裕があるもの)
- 出生証明書(両親の氏名が記載されたもの)
- 養子の場合は法的養子縁組書類
- 継子の場合は前婚の離婚証明書または死亡証明書
- 同行しない親(non-accompanying parent)からの書面同意書
- 親権を示す裁判所命令(離婚・別居の場合)
- 子供の現在の学校在籍証明・成績証明
- 同居を示す書類(住所が記載された公的書類など)
- 申請者夫婦の収入・貯蓄証明(給与明細6か月分、銀行残高証明など)
- 英国でのアコモデーション証明(賃貸契約書または持ち家証明)
英語以外の言語で発行された書類はすべて 認証付き翻訳(certified translation) を添付しなければ受理されません。日本で取得した戸籍や出生届なども例外ではないため、翻訳会社への依頼を早めに進めることをお勧めします。
同行しない親からの同意書欠落は、Home Officeが公表している子供ビザ却下理由の 最も多いケース です。離婚・別居・死別で複雑な事情がある場合は、出生証明書・裁判所命令・死亡証明書などで状況を補強しておきましょう。
申請料・IHS(医療付加金)
2026年4月8日に施行された最新料金は以下のとおりです。子供も主申請者と同額を1人ずつ支払う必要があります。
項目 | 英国外申請 | 英国内申請(FLR(M)) |
|---|---|---|
Family Visa 申請料(1人) | £2,064 | £1,407 |
子供 1人追加につき | £2,064 | £1,407 |
IHS(成人・年額) | £1,035 | £1,035 |
IHS(18歳未満・年額) | £776 | £776 |
IHS(Immigration Health Surcharge)は申請時にビザ期間分を 一括前払い する仕組みで、分割はできません。
- 33か月の初回スパウスビザ(英国外申請)の成人IHS総額:£3,105
- 30か月延長(FLR(M))の成人IHS総額:£2,587.50
- 子供の場合は年£776ベースで33か月分は約£2,134、30か月分は約£1,940
親1人の英国外申請の自己負担合計目安は申請料+IHSで 約£5,169。子供1人を同伴する場合は、これに £2,064 + 子供のIHS(33か月で約£2,134)が上乗せされ、4人家族(夫婦+子2人)で初回申請するとトータルで £15,000 を超えることも珍しくありません。
5年経過後のILR(Indefinite Leave to Remain、永住権)申請料は2026年4月8日より £3,226 に引き上げられました。
申請手順
申請はすべてGOV.UKのオンラインフォームから行います。日本からの申請の場合、東京または大阪のビザ申請センター(VAC)で生体認証を取ります。
- オンラインフォーム入力:GOV.UKの「Family visas: apply, extend or switch」ページからスタート。子供は別フォームで申請し、主申請者の参照番号と紐付けます。
- 申請料・IHS支払い:オンラインで一括決済。家族全員分が一度に請求されます。
- 書類のアップロード:パスポート、収入証明、出生証明書、同意書などをスキャンしてアップロード。
- 生体認証予約:UKVCAS(英国内)またはVAC(英国外)で指紋・顔写真を取得。日本では東京・大阪が主な拠点です。
- 判断通知の受領:メールで結果が届き、許可されればパスポートに30日間有効の入国許可(vignette)が貼られます。
- BRP/eVisa受領:入国後、現在はeVisa(デジタルビザ)への移行が進んでいます。
詳細な収入要件の計算ロジックや申請者の英国側パートナーが満たすべき条件についてはイギリスSpouse Visaの解説も参考になります。
処理時間と優先サービス
2026年時点での標準処理時間は以下のとおりです。
申請区分 | 標準処理 | Priority(+£500) | Super Priority(+£1,000) |
|---|---|---|---|
英国外 Family Visa(子供含む) | 12週間 | 最大30営業日 | 翌営業日終了まで |
英国内 延長・切替 | 8週間 | 5営業日以内 | 翌営業日終了まで |
英国外Family VisaのPriorityは他のビザ区分と異なり、最短でも数週間かかる点に注意してください。学期開始に合わせて子供を転校させたい場合などは、逆算して4〜5か月前から準備を始めるのが安全です。
よくある不許可理由と落とし穴
- 同行しない親の同意書が無い、または不十分:離婚・別居家庭で最も多い却下理由。父母のサインに加え、連絡先・パスポートコピーも添えるのが望ましい。
- 認証翻訳の欠落:戸籍謄本や出生届を原本のまま提出すると即却下対象。
- 収入要件の計算ミス:給与・自営収入・貯蓄を組み合わせる場合のルールが複雑。Category Aは申請日前6か月の同一雇用主からの給与、Category Bはそれ以外の場合に該当。
- アコモデーション不足:英国の住居が狭すぎて子供を含めた家族が同居できないと判断されるケース。寝室数の overcrowding 基準に注意。
- 継子・養子の書類不備:法的養子縁組や親権の証明が日本の戸籍だけでは不十分なことがある。
- IHSの計算誤り:子供分のIHSを忘れて支払い不足となり、再請求で処理が遅延する。
書類提出後に不備が見つかると、Home Officeから追加書類要求(Request for Further Information)が送られ、回答期限は通常 10営業日 です。期限を過ぎると却下される可能性があるため、申請後もメールを毎日チェックしましょう。
5年ルートとILR、最新の制度動向
英国外から発給される初回スパウスビザの期間は 33か月(2年9か月)、その後30か月の延長(FLR(M))を経て、合計5年でILR(永住権)の申請資格を得ます。子供も同じスケジュールでILR申請が可能です。
2025年6月にMAC(Migration Advisory Committee)が£29,000の収入要件を£23,000〜£25,000に引き下げるよう勧告しましたが、2026年4月時点で政府は変更を実施していません。
また、2025年のImmigration White PaperではILR取得期間を5年から10年に延ばす「earned settlement」案が提示されましたが、2026年4月時点でImmigration Rulesには未反映で、現行の5年ルートが有効 です。Home Officeの最新Family Policy(パートナー/親としての家族生活ガイダンス)は2026年5月18日付で公表されており、申請前に一度目を通しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. 子供だけ後から呼び寄せることはできますか?
A. 可能です。親のFamily Visaが先に承認された後、子供を「join a parent」ルートで別途申請できます。料金とIHSは同額です。
Q. 子供が18歳になる前に申請しないと間に合いませんか?
A. 申請時点で18歳未満であれば受理されます。申請中に19歳になっても問題ありませんが、18歳以降に新規申請する場合は要件が厳しくなります。
Q. 子供は英国で学校に通えますか?
A. はい、Family Visaの子供は公立・私立を問わず就学可能で、追加の許可は不要です。NHSもIHS支払い済みであれば利用できます。日本語が通じる医療機関を探したい方はロンドンの医療施設のリストが参考になります。
Q. 大学進学の場合はFamily VisaのままでOKですか?
A. 18歳までの大学入学であればFamily Visaの扶養家族として在籍可能ですが、卒業時にビザの切替が必要になることがあります。Student Visaへの切替を検討する場合はStudent Visaの申請方法を確認してください。
Q. 申請料は予告なく変わりますか?
A. はい、Home Officeは年に1〜2回料金改定を行います。申請直前に GOV.UK およびHome Office公式のVisa Application Feesサイトで最新額を確認してください。
イギリスで家族と新生活を始めるなら、子供の学校や日々の生活でも英語に触れる機会が一気に増えます。家族みんなで自然な英語に慣れていきたい方は、Netflixやニュース動画から学べるMigakuを活用してみてください。