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イギリスでフラットを探す方法、日本人がやりがちな失敗と対策

最終更新日: 2026年5月20日

イギリスでフラットを探す方法、日本人がやりがちな失敗と対策

イギリスでフラットを借りる流れは日本とは大きく異なり、ポータルサイト経由のオンライン申込、Right to Rentチェック、敷金保護スキームなど、知らないと損をする仕組みが多くあります。本記事では2026年5月時点の最新ルールと、日本人がつまずきやすいポイントを実例ベースで整理します。

Last updated: May 20, 2026

2026年のイギリス賃貸市場の現状

まず相場感を押さえておきましょう。英国国家統計局(ONS)の2026年3月データによると、イングランド全体の民間賃貸の平均月額は £1,377 で、前年比+3.4%の上昇となっています。地域差は非常に大きく、ロンドンは平均 £2,280、最高はケンジントン&チェルシー区の £3,599、一方スコットランドのDumfries and Gallowayでは £554 と6倍以上の開きがあります。

地域別のおおまかな目安は以下の通りです。

地域

平均月額賃料(2026年3月)

イングランド全体
£1,377
ロンドン
£2,280
ロンドン(新規募集平均、Rightmove調べ)
£2,736
オックスフォード(ロンドン外で最高)
£1,952
北東部(最安だが上昇率最速)
£767

物件タイプ別ではフラット/メゾネットが平均 £1,345 と戸建てより安く、独身者や夫婦の駐在員には現実的な選択肢です。ただしロンドンの空室率は約2%、平均25〜30日で借り手がつくため、内見当日に決断を求められる物件も珍しくありません。

物件検索に使うポータルサイト

イギリスの賃貸物件は基本的にオンラインポータルに集約されています。日本人が最初に登録すべきは以下の3つです。

  • Rightmove:2025年時点で英国不動産ポータル滞在時間の89%を占有する最大手。掲載数も最多。
  • Zoopla:Rightmoveとほぼ同等の在庫を持ち、価格履歴や周辺相場の確認に強い。
  • OnTheMarket:2023年末にCoStar Groupが買収。新着物件を24時間先行掲載する仕組みがある。

主要在庫の95%以上は両ポータルに同時掲載されますが、新着通知の到達速度が物件確保の鍵になるため、最低でも2サイトに同条件でアラート登録しておくのが基本です。Facebookグループ(「在英日本人」「ロンドン日本人」系)や、駐英日本国大使館(uk.emb-japan.go.jp)が紹介する日系不動産業者を併用する方も多いですが、相場感はまずポータルで掴むのが先決です。

日本人が必ず準備すべき書類とShare Code

2026年に最も注意すべき変更点が、Right to Rentの証明方法です。イングランドでは大家が18歳以上の全入居者に対し、契約前に在留資格を確認する法的義務があります(スコットランド、ウェールズ、北アイルランドは対象外)。違反した大家には民事罰、悪質な場合は最大5年の禁錮と無制限の罰金が科されます。

2026年1月以降、Biometric Residence Permit(BRP)は新規発行されず、Right to Rentの証明にも使えなくなりました。代わりに必須となるのが eVisaShare Code です。

  • Share CodeはGOV.UKの「Prove your right to rent in England」から無料で発行。
  • Right to Rent用は9桁で頭文字が「R」(就労用「W」とは別物)。
  • 有効期間は発行から90日間。
  • 大家は生年月日と合わせてGOV.UKの「Landlord right to rent checking service」で照合する。

申込時に揃えておきたい書類一覧はこちらです。

  • パスポート
  • eVisa用UKVIアカウントのログイン情報、Share Code(90日以内)
  • 雇用契約書または内定通知書(給与の年額が明記されたもの)
  • 直近3か月分の銀行取引明細
  • 過去の大家からのリファレンスレター(無い場合は保証人または家賃数か月前払いで代替)
  • 英国の住所証明(公共料金請求書、Council Tax請求書など)

渡英直後で英国内の住所証明や信用履歴がない日本人は、Guarantor(保証人)サービスの利用、または家賃6か月分の前払いを求められるケースが多いです。後述しますが2026年5月以降は前払いに上限規制が入る点に注意してください。

申込から入居までの流れ

一般的なプロセスは以下の順序で進みます。

  1. ポータルで物件を絞り込み、エージェントに内見予約をリクエスト。
  2. 内見当日、気に入ったらその場で「Offer」を出す(提示家賃、入居希望日、契約期間、ペット有無などを伝える)。
  3. 大家がオファーを承諾したら Holding Deposit(押さえ金) を支払う。上限は家賃1週間分。
  4. 押さえ金支払い後、原則15日以内に契約書(Tenancy Agreement)に署名。
  5. 同時並行でReferencing(信用調査)、Right to Rentチェック、保証人手続きを完了。
  6. 入居日に 敷金+初月家賃 を送金し、Inventory Report(家財目録)を確認の上、鍵を受け取る。

敷金の上限はTenant Fees Act 2019により、年間賃料 £50,000未満の物件で 家賃5週間分、£50,000以上で6週間分です。大家は受領から30日以内に政府公認の3スキーム(DPS、MyDeposits、TDS)のいずれかに預け、Prescribed Informationを書面で交付する義務があります。これを怠った大家には敷金額の1〜3倍の補償金が課され、退去通知も無効になります。入居後はかならず保護スキーム名と参照番号を確認してください。

2026年5月施行のRenters' Rights Actで何が変わったか

2026年5月1日、イングランドでRenters' Rights Actが施行され、約1,100万人の借家人に新たな保護が付与されました。日本人入居者にとっても影響が大きい変更点を整理します。

  • Section 21(理由なし退去通知)の廃止:大家は正当な理由なく借家人を退去させられなくなりました。
  • 固定期間契約の廃止:従来のAssured Shorthold Tenancy(AST)は自動的に Assured Periodic Tenancy(期間契約)に転換。1年縛りなどがなくなり、借家人側は2か月前通知でいつでも解約可能。
  • 家賃前払いの上限:契約締結時に大家が請求できる前払い家賃は 1か月分まで。これまで信用履歴のない外国人に6か月前払いを求めるケースが横行していましたが、2026年5月以降は違法です。
  • 賃料値上げは年1回まで:Section 13通知で2か月以上前に通知が必要。納得できない場合はFirst-tier Tribunalに不服申立てが可能。
  • Rental Bidding禁止:大家・エージェントは募集賃料を超えるオファーを受け取れなくなりました。
  • EPC Cレーティング義務化:2030年までに全民間賃貸住宅がEPC C以上を満たす必要あり。古い物件は冬場の暖房費が高騰しがちなので、内見時にEPC証書を必ず確認してください。

日本人がやりがちな失敗と対策

ここからが本題です。実際の駐在員・留学生の事例から、典型的なつまずきと対応策を挙げます。

失敗1:家賃の他に発生するコストを見落とす
イギリスの賃貸は基本的に家賃にCouncil Tax、光熱費、Wi-Fiが含まれません。Council Taxは2026/27年度のイングランド平均がBand D で年£2,392、ロンドン区平均£2,068です。Ofgemのエネルギープライスキャップは2026年第1四半期で標準世帯年間£1,758。これらを合算すると月の実質負担は表示家賃の20〜30%増になります。学生は通常Council Tax免除、単身者は25%割引が適用されるので、該当する場合は入居後すぐに地方自治体に申請してください。

失敗2:Share Codeを当日まで発行していない
内見後すぐにオファーを出す文化のため、Share Codeが手元にないと他の候補者に物件を取られます。渡英前または到着直後にGOV.UKでeVisaを設定し、物件探しを始める段階でShare Codeを再発行(90日有効)しておきましょう。

失敗3:Inventory Reportを軽視する
入居時の家財目録は退去時の敷金返還で最重要書類です。傷、シミ、家電の不具合は写真付きで7日以内にエージェントに書面通知してください。これを怠ると、もともとあった傷の修繕費を退去時に請求されます。

失敗4:「現金で家賃を払えば安くする」という大家のオファーに乗る
敷金保護スキームへの預け入れがされず、トラブル時に法的保護を受けられません。必ず銀行振込で記録を残し、敷金保護の参照番号を入手してください。

失敗5:禁止支払い(Prohibited Payments)を請求されて応じる
Tenant Fees Act により、リファレンスチェック料、契約書作成料、インベントリー料などをテナントに請求することは違法です。違反した大家・エージェントには初回最大£5,000の民事罰、5年以内の再違反でbanning order対象になります。請求された場合はShelterや地元のCitizens Adviceに相談しましょう。

失敗6:契約書を読まずにサインする
ペット禁止条項、サブレット禁止、退去時クリーニング義務などは契約書ごとに違います。固定期間契約は廃止されましたが、Break Clauseの条件、家賃支払い日、共益費の扱いは必ず確認してください。

よくある質問

Q. 日本からオンラインで契約まで完結できますか?
A. 一部の日系業者やビデオ内見対応のエージェントなら可能ですが、Right to Rentチェックは原則として顔写真付き本人確認が必要で、対面またはIDVT(Identity Document Validation Technology)認定業者経由でなければ完了しません。渡英後1〜2週間は短期ホテルやサービスドアパートメントを利用し、現地で契約するのが安全です。

Q. 保証人がイギリス国内にいないとどうしますか?
A. Housing HandやUK Guarantorといった有料保証人サービスが利用できます。費用は通常、年間家賃の数%です。2026年5月以降は家賃前払いの上限が1か月分のため、保証人サービスの重要性は以前より高まっています。

Q. ロンドン以外でも家具付き物件はありますか?
A. 学生街(マンチェスター、エディンバラ、バーミンガムなど)や都心部のフラットは家具付きが主流です。ロンドン中心部の家具付き物件は同条件の家具なしより10〜15%高くなる傾向があります。

Q. 大家のRight to Rentチェックで困ったら?
A. Home Office のLandlord Checking Service(0300 069 9799)に大家から問い合わせてもらえます。eVisaの不具合は珍しくないので、慌てずにGOV.UKのサポートも併用してください。

渡英前後に確認しておきたい関連手続き

フラット探しと並行して、以下の手続きも早めに着手しておくと生活立ち上げがスムーズです。

イギリスでの生活立ち上げは、エージェントや大家との細かな英語のやりとりが避けられません。契約書の専門用語や内見時のニュアンスを安心して読み解けるように、英語学習を生活に組み込んでおきたい方はtry Migakuで実際のドラマやニュースを教材化するのが現実的です。

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