J-1ビザの種類と取得方法まとめ:研修・オーペア・サマーまで
最終更新日: 2026年5月23日

J-1ビザはアメリカ国務省教育文化局(ECA)が指定する教育・文化交流プログラム向けの非移民ビザで、現在は「BridgeUSA」というブランド名で運用されています。国務省が定めるカテゴリーは全15種類あり、研究者向けから大学生のサマージョブ、住み込み育児のオーペアまで目的別に細かく分かれているため、自分に当てはまるカテゴリーを最初に特定することが申請の出発点になります。
Last updated: May 23, 2026
J-1ビザの15カテゴリー一覧
BridgeUSAの公式カテゴリーは以下の15種類です。それぞれ滞在期間、対象者、スポンサー団体の種別が異なります。
カテゴリー | 対象者 | 最長滞在期間 |
|---|---|---|
Professor | 大学などで講義・研究を行う教授 | 5年 |
Research Scholar | 研究機関での研究者 | 5年 |
Short-Term Scholar | 短期滞在の研究者・講演者 | 6か月 |
Trainee | 学位+実務経験を持つ研修生 | 18か月 |
Intern | 現役学生または卒業後12か月以内 | 12か月 |
College and University Student | 大学・大学院の正規留学生 | 学位取得まで |
Teacher | 初等・中等教育の教員 | 5年 |
Secondary School Student | 中学・高校交換留学生 | 学年度 |
Specialist | 特定分野の専門家 | 1年 |
Alien Physician | 卒後医学教育・研修を受ける医師 | 通常7年 |
Camp Counselor | サマーキャンプの指導員(18歳以上) | 4か月 |
Au Pair | 18〜26歳の住み込み育児スタッフ | 1年(最大2年延長可) |
Summer Work and Travel | 大学生の夏休み就労・旅行 | 4か月 |
Government Visitor | 政府機関が招聘する訪問者 | 18か月 |
International Visitor | 国務省が指定する公式訪問者 | 1年 |
どのカテゴリーに該当するかによって、スポンサー団体、必要書類、費用、帰国義務の有無まで変わってきます。
主要カテゴリーの要件と特徴
日本人申請者の中で利用が多いのは、Trainee、Intern、Au Pair、Summer Work and Travel、Research Scholarです。それぞれの要件を整理します。
Intern(インターン)
対象は現役の大学生・大学院生、または卒業後12か月以内の社会人です。専攻分野または直近の職務と直結する内容での実務研修が条件で、最長12か月滞在できます。受入企業はトレーニング・プラン(DS-7002)を作成し、ホストが評価・指導することが求められます。
Trainee(研修生)
Internより一段上の社会人向けカテゴリーで、最長18か月。要件は次のいずれかです。
- 専門分野の学位+同分野で1年以上の実務経験
- 同分野で5年以上の実務経験
キャリアアップ目的の研修に使われ、Internと同じくDS-7002のトレーニング・プランが必須です。
Au Pair(オーペア)
アメリカ家庭に住み込み、子どもの育児を担当しながら現地文化を体験するプログラムです。
- 年齢18〜26歳
- 英語で日常会話ができること
- 中等教育(高校)以上を修了
- 身元調査(バックグラウンドチェック)通過
- 健康診断クリア
2025〜2026年の国務省規定の最低週給は$195.75(連邦最低賃金から部屋・食事控除を反映)、EduCare Au Pairは週$146.81です。就労上限はスタンダードで1日10時間・週45時間、EduCareは週30時間に制限されます。さらにホストファミリーは年間最大$500の教育手当を支払う義務があります。
Summer Work and Travel(サマーワークトラベル)
海外の大学に在籍する学生が、長期休暇中の最長4か月、アメリカでアルバイトをしながら旅行できるプログラム。リゾート地のホテル、テーマパーク、レストランなどでの就労が中心です。
Research Scholar / Professor
大学・研究機関で研究または講義を行う人向け。最長5年滞在可能で、ポスドク、客員研究員、客員教授がこのカテゴリーを使います。Short-Term Scholarは6か月以内の短期招聘用です。
必要書類チェックリスト
カテゴリーを問わず共通する基本書類と、カテゴリー別に追加される書類があります。
共通書類
- 有効なパスポート(米国滞在予定期間+6か月以上の残存有効期間)
- DS-2019(指定スポンサー団体が発行する資格証明書)
- DS-160(オンライン非移民ビザ申請書)の確認ページ
- SEVIS I-901手数料支払い証明
- ビザ申請手数料(MRV)支払い証明
- 顔写真(DS-160規格)
- 大使館・領事館の面接予約確認書
- 英文の財政証明(滞在費を賄える証明)
カテゴリー別の追加書類
- Intern / Trainee:DS-7002トレーニング・プラン、在学証明または卒業証明、職務経歴書
- Au Pair:身元調査結果、健康診断書、保育経験を示す書類、運転免許証、推薦状
- Research Scholar / Professor:受入機関の招聘状、研究計画書、CV、博士号などの学位証明
- Summer Work and Travel:在学証明、夏休み期間を証明する書類、雇用先のジョブオファー
申請ステップ
J-1ビザの申請は次の流れで進みます。
- カテゴリー選定とスポンサー探し:国務省指定のスポンサー団体(2023年時点で4,209団体が指定)を通さなければ申請できません。受入企業が直接DS-2019を発行することはできず、スポンサー団体を介する仕組みです。
- プログラム申込みと審査:スポンサーによる面接、書類審査、英語力チェックを通過します。
- DS-2019の発行:スポンサーがSEVISに登録し、申請者にDS-2019を発行します。
- SEVIS I-901手数料の支払い:オンラインで支払い、領収書を保管します。
- DS-160の入力とMRV手数料の支払い:オンラインで申請書を作成し、ビザ申請手数料を納付します。
- 大使館・領事館での面接:東京・大阪・那覇・札幌の在日米国大使館・領事館で面接を受けます。2025年6月以降、F・M・Jカテゴリーの申請者にはSNSアカウントを「公開」に設定したうえでのソーシャルメディア審査が義務化されています。
- ビザ受領と渡米:DS-2019に記載された開始日の最大30日前から入国可能です。
費用と処理期間
2026年5月時点で確認できる主な費用は次のとおりです。
費用項目 | 金額(USD) | 備考 |
|---|---|---|
DS-160 / MRVビザ申請手数料 | $185 | 2026年時点 |
SEVIS I-901手数料 | $220 | 多くのJ-1カテゴリー |
SEVIS I-901手数料(軽減) | $35 | Summer Work & TravelとCamp Counselorのみ |
J-1免除申請(DS-3035) | $120 | 2年帰国義務の免除申請時のみ |
スポンサー団体プログラム費 | 団体により異なる | 別途、官公庁外の費用 |
米政府後援のJ-1(DS-2019のプログラム番号がG-1、G-2、G-3、G-7で始まるもの)は、MRV手数料および発給手数料が免除されます。フルブライト奨学生などが該当します。
2025年に通過した法律(H.R.1)で新設された$250の「Visa Integrity Fee」(退国後返金条件付き)はB、F、J、Hなど多くの非移民ビザが対象ですが、2026年2月時点で運用開始時期は未確定です。最新の運用状況は travel.state.gov で確認してください。
処理期間はカテゴリーと領事館の混雑状況により大きく変動します。スポンサー審査・DS-2019発行に数週間〜数か月、面接予約から発給まで数日〜数週間が一般的な目安です。
J-2帯同家族と2年帰国義務
J-2ビザ(配偶者・子)
J-1保持者の配偶者および21歳未満の未婚の子はJ-2ビザで帯同できます。J-2は別途SEVIS手数料は不要ですが、各自DS-2019(J-1スポンサーが発行)と$185のDS-160が必要です。J-2はEAD(労働許可)を取得すれば就労も可能です。
212(e):2年帰国義務とSkills List
J-1の中には、プログラム終了後に本国に2年間戻らないとH、L、永住権などへ切り替えられない「2年帰国義務(212(e))」が課されるケースがあります。対象となるのは主に次の場合です。
- 米政府または本国政府からの資金援助を受けた者
- 外国人医療大学院教育を受けた医師
- 本国の専門人材リスト(Exchange Visitor Skills List)に記載される技能分野で研修・研究を行う者
2024年12月9日付の国務省告示(Public Notice 12555)により、Skills Listから中国、インド、ブラジル、韓国、サウジアラビア、トルコ、UAE、南アフリカなど37か国が削除され、改訂後のリスト対象は45か国に縮小しました。改訂は遡及適用され、リストから外れた国の国籍者は原則として2年帰国義務から解除されます。ただし、政府資金受給者および外国人医師は引き続き義務が適用されます。
日本の扱いについては、自身のDS-2019とビザに「Subject to 212(e)」表記があるかを必ず確認してください。
よくある落とし穴
- カテゴリー誤選択:Intern対象なのにTraineeで申請してしまうケース。卒業から12か月を超えるとInternは使えません。
- DS-7002の内容不備:Intern/Traineeでは具体的な学習目標、評価方法、監督者が明記されていないと不許可リスクが上がります。
- 30日グレース期間中の就労:プログラム終了後30日間の出国準備期間中は就労できません。違反すると将来のビザ申請に影響します。
- SNS公開設定の忘れ:2025年6月以降、F・M・J申請者にはSNSアカウントの公開設定が義務化されました。非公開のままだと面接通過が困難になります。
- 入国日の前倒し過多:DS-2019開始日の30日以上前には入国できません。
- 大統領布告10998の対象国確認漏れ:2026年1月1日発効の布告により、一部国籍者には新規J-1発給停止または入国禁止が課されています。最新の対象国リストは出発前にtravel.state.govで必ず確認してください。
よくある質問
Q. J-1ビザは延長できますか?
カテゴリーごとに最長期間が定められています。Au Pairは6か月、9か月、12か月の追加延長が可能、Research Scholarは5年枠内で延長できます。Summer Work and Travelは延長不可です。
Q. J-1からH-1Bや永住権に切り替えられますか?
2年帰国義務がかかっていない場合は通常可能です。義務がある場合は本国に2年戻るか、DS-3035による免除(Waiver、$120)を取得する必要があります。
Q. J-1ビザ中にアメリカ国外旅行はできますか?
DS-2019にスポンサーの「Travel Validation」サインがあれば短期の出国・再入国は可能です。
Q. F-1(学生ビザ)とJ-1のCollege and University Studentはどう違いますか?
J-1は奨学金や交換留学プログラム経由が前提で、スポンサーが必要、就労制限と帰国義務の可能性があります。F-1はより一般的な留学ビザで、CPT/OPT/STEM OPTといった就労オプションが用意されています。学生ビザ後のキャリア設計を考えるなら、STEM OPT延長の条件と申請手順も参考になります。
Q. アメリカ以外の英語圏での就労体験プログラムは?
イギリスのYMS Tier 5申請方法や、アイルランドワーホリ費用の解説記事で各国のオプションを比較できます。
Q. 2026年現在のJ-1発給状況は?
2022年は284,486件のJ-1ビザが発給され、承認率は88.8%でした(2023年時点)。2026年の最新統計は travel.state.gov/content/travel/en/legal/visa-law0/visa-statistics で確認してください。
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