アイルランドのワーホリ初期に使うRevolutとN26の実用比較
最終更新日: 2026年5月16日

アイルランドに渡航したワーキングホリデー渡航者の多くは、現地銀行の口座開設に住所証明と数週間の待ち時間を求められて立ち往生します。その「空白期間」を埋める実用的な選択肢が、リトアニアに親会社を持つRevolutと、ドイツに親会社を持つN26です。どちらも欧州銀行ライセンスを持ち、アイルランドの住所証明なしでアプリから数日で口座番号(IBAN)を発行できます。
Last updated: May 16, 2026
なぜ初期段階に「ネオバンク」が必要か
AIBやBank of Irelandといった伝統的なアイルランドの銀行は、PPSナンバー、賃貸契約書、公共料金請求書などを口座開設条件にすることが多く、到着直後のワーホリ渡航者には現実的な壁があります。発行までに2〜4週間かかる場合もあります。詳しい流れはアイルランド銀行口座開設を参照してください。
その間、雇用主は給与振込先のIBANを求め、家主はデポジットの送金先を求め、SIMの契約や交通系ICのトップアップでもデビットカードが必要になります。RevolutとN26はこの「即時にIBANとデビットカードが欲しい」というニーズに直接応える設計です。
- パスポートとセルフィー動画で本人確認、原則アプリ内で完結
- アイルランド住所が確定する前から利用開始可能
- ユーロ建てIBANで給与振込・家賃送金に対応
- 物理カード到着前から、Apple Pay / Google Payで決済可能
規制とライセンス、預金保護
どちらもEU圏の銀行ライセンスを持つ正規の銀行であり、預金保護の枠組みもあります。ただし保護の管轄は異なります。
- Revolut Bank UAB:リトアニアの銀行ライセンス。アイルランドではダブリン(2 Dublin Landings, North Dock, Dublin 1、会社番号909790)に支店を設置し、アイルランド中央銀行(Central Bank of Ireland)の規制下で運営。預金最大€100,000がリトアニア国営の「Deposit and Investment Insurance」で保護されます。
- N26:ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)から完全な銀行ライセンスを取得。預金は最大€100,000までドイツの預金保護制度で保護されます。
2023年2月13日以降にRevolutに加入した新規顧客には、アイルランドのIBANによるユーロ口座と、英国GBP口座が発行されます。アイルランドIBANは、雇用主や行政手続きで「アイルランド国内口座であること」を求められた際にスムーズです。N26はドイツ(DE)IBANですが、SEPA圏内であるためアイルランドでの給与振込・直接引落しは原則受け付けられます。
月額料金の比較(2026年5月時点)
どちらも無料プランがあり、ワーホリ初期はそれで十分なケースが多いです。
プラン階層 | Revolut(月額) | N26(月額) |
|---|---|---|
無料 | Standard:€0 | Standard:€0 |
入門有料 | Plus:€3.99 | Smart:€4.90 |
中位 | Premium:€8.99 | Go:€9.90 |
上位 | Metal:€15.99 | Metal:€16.90 |
最上位 | Ultra:€45 | (該当なし) |
Revolutの有料プラン規約の最新版は2026年1月30日から適用されています。料金は予告なく変更される可能性があるため、契約前にRevolut公式とN26公式で確認してください。
ATM引き出しと印紙税(ここで実用差が出る)
アイルランドはキャッシュレス化が進んでいるとはいえ、シェアハウスのデポジットや古いパブでは現金がまだ必要です。ATM条件は両者で設計思想が異なります。
Revolut
- Standard:月€200または5回まで無料、超過分は2%(最低€1)
- Metal:月最大€800まで無料
N26(ユーロATM)
- Standard / Business:月2回無料、以降1回€2
- Smart:月3回無料、以降1回€2
- Go:月5回無料、外貨ATMも無料
- Metal:月8回無料、以降€2、外貨ATM無制限無料
Standard / Business / Smartの外貨ATM引き出しは1.7%の手数料がかかります。
さらにアイルランド居住者には、ATM引き出し1回あたり€0.12の政府印紙税(年間上限€5)が課されます。N26はアイルランド居住者にこの印紙税を別途遡及課金する旨を価格表で明示しています。Revolutも規制対象事業者として印紙税の対象です。月数回のATM利用なら印紙税は数十セント単位で、神経質になる金額ではありません。
通貨換算と週末手数料
日本円を含む非ユーロからの送金や、海外旅行時のカード決済で差が出ます。
- Revolut Standard:平日に月€1,000まで通貨換算無料。週末(米国東部時間 金曜17時〜日曜18時)はすべての換算に1%の加算。フェアユース上限超過後はStandardで1%、Plusで0.5%。
- Revolut Premium / Metal / Ultra:換算上限なし、フェアユース手数料なし。
- N26:全プランで世界中のカード決済に外貨換算手数料・取引手数料・週末マークアップなし。
為替手数料を意識せずカードを切りたい人にはN26の設計が単純で扱いやすく、月の換算量が€1,000を超えない人や週末に大きな両替をしない人にはRevolut Standardでも実害は出にくい、というのが現実的な評価です。
利息・貯蓄(初期段階ではおまけ程度)
ワーホリ初期の数百ユーロのバッファでは利息差はわずかですが、滞在が長期化する場合の参考に。
- N26 Instant Savings(2025年6月11日改定):Standard・Smart 0.30%、Go 0.50%、Metal 1.50%(税引前)
- Revolut Standard:貯蓄に最大1.50% AER(変動)
- Revolut Metal:最大2.01% AER(変動)
- Revolut Flexible Cash Funds(EUR)年率手数料:Standard 0.5%、Plus 0.45%、Premium 0.25%、Metal 0.15%、Ultra 0.05%
表面利率だけでなく、Revolutの貯蓄商品にはファンド手数料が乗ることに注意してください。
機能面と日常の使い勝手
- アクセス:N26はモバイルとデスクトップ(ウェブ)両方で残高確認・送金が可能。Revolutはアプリ専用です。書類添付付きの送金を職場や家で落ち着いて処理したいならN26が楽です。
- 支出上限:N26カードのアイルランドでの日次支出上限は€5,000、ATM日次引き出し上限は大半の国で€1,000、週次上限は€2,500。家賃デポジットなど大口決済の際に上限調整が必要かを事前に確認してください。
- 仮想カード:N26有料プランでは仮想カードを最大6枚まで発行可能。サブスク管理や使い捨て決済に便利です。
- 株式・ETF:N26は手数料無料(商品関連コストは別途)。
- 暗号資産:N26はビットコイン1.5%、その他コイン2.5%。
- 小口の落とし穴:N26はDirect Debit残高不足時に€3の手数料、カードからの繰り返し入金は月の最初のみ無料、以降3%の手数料がかかります。
ユーザー基盤の規模もある程度の安心材料です。Revolutはアイルランドだけで300万超のユーザー、N26は24か国・顧客800万以上・預金€100億超の規模で運営されています。
結局どちらを使うべきか(ワーホリ初期視点)
どちらか一方ではなく、両方を無料プランで開設しておくのが現実的な答えです。理由は単純で、コストがゼロで、片方の本人確認が遅れた場合のバックアップになるからです。
そのうえで、使い分けの目安は次の通りです。
- 給与振込のメインに据えるなら Revolut:アイルランドIBANが発行され、雇用主の経理から見て「ローカル口座」として扱われやすい。アイルランド中央銀行の規制下にあることも説明しやすい。
- 海外旅行・帰国時の決済が多いなら N26:全プランで外貨カード決済に手数料・週末加算がない設計が単純。デスクトップで操作できるのも便利。
- 現金を頻繁に引き出すなら Revolut Standardの月€200上限を意識し、超える月は事前にN26 Goに切り替えるか、ATM回数を月の前半にまとめる。
- 中長期で住宅ローンやクレジットカードに発展させたいなら:2026年5月時点でRevolutがアイルランドで予定する住宅ローン・クレジットカード・個人ローンの正式ローンチ条件は流動的なため、Revolut Ireland公式サイトで最新状況を確認してください。
なお、PPSナンバーと住所が固まったら、AIBやBank of Irelandの現地口座を並行して開設することを推奨します。一部の家主や公的給付の振込先は、ネオバンクのIBANを嫌うケースがまだ残っています。
よくある質問
Q. 日本のパスポートだけで開設できますか。
A. 両社ともパスポートと顔認証で本人確認可能です。アイルランドの住所証明は開設時には不要ですが、後日アップロードを求められる場合があります。
Q. 日本の銀行から最初の生活費をどう送りますか。
A. Wiseなどの送金サービスでRevolutまたはN26のIBAN宛にユーロ送金するのが手数料的に有利です。Revolutへの送金は同サービス内ユーザーからなら無料、外部からのSEPA送金もユーロ建てなら基本無料です。
Q. アイルランドの家賃支払いに使えますか。
A. 使えます。SEPA Direct Debitに両社とも対応しています。ただしN26はDirect Debit残高不足で€3の手数料が発生します。家賃は引落日の前日までに必ず残高を確保してください。生活費の全体感はダブリン生活費と家賃を参照してください。
Q. 観光ビザで先に下見に行く場合も口座を作れますか。
A. 短期滞在中の開設は規約上グレーで、後から居住国情報の更新を求められることがあります。短期渡航の条件はアイルランド渡航ガイドを確認してください。
Q. 預金保護はアイルランド政府のスキームですか。
A. いいえ。Revolutはリトアニア、N26はドイツの預金保護制度の対象です。どちらも上限€100,000です。
アイルランドに渡航したら、銀行手続きの英語にもパブでの雑談にも、生きた英語の地力が必要です。ネイティブ動画や記事で語彙と耳を鍛えるなら、try Migakuで現地コンテンツから学ぶ習慣を作ってみてください。