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Subclass 482 TSS就労ビザを日本人がスポンサーで取得する条件

最終更新日: 2026年5月25日

Subclass 482 TSS就労ビザを日本人がスポンサーで取得する条件

オーストラリアのSubclass 482(Skills in Demand、旧TSS)ビザは、現地企業からスポンサーを受けて最長4年間フルタイム就労できる雇用主主導型ビザです。日本人がこのビザを取得するには、職業リストへの掲載、給与基準、関連職務経験1年、英語力、そしてスポンサー企業による正式な指名(Nomination)の4つが揃う必要があります。

Last updated: May 25, 2026

2024年12月の制度刷新で何が変わったか

2024年12月7日、Temporary Skill Shortage(TSS)ビザは正式にSkills in Demand(SID)ビザへと置き換えられました。サブクラス番号「482」は維持されたものの、ストリーム構成・職業リスト・給与基準・経験要件が大幅に刷新されています。

現在の3つのストリームは以下の通りです。

  • Core Skills:Core Skills Occupation List(CSOL)に掲載された職業で、給与AUD 76,515以上
  • Specialist Skills:任意のANZSCO職業で給与AUD 141,210以上、中央値8日で処理(年間3,000名上限)
  • Labour Agreement:労働協定を結んだ雇用主向け

Specialist Skillsストリームからは技能労働者、機械オペレーター、運転手、労務労働者が除外されています。日本人技術職・専門職の多くはCore Skillsを利用することになります。

また、必要な関連職務経験は従来の2年から1年に短縮されました(過去5年以内のフルタイム勤務12ヶ月)。これは新卒に近い若手日本人にとって大きな朗報です。

申請者本人の主な条件

日本人がSubclass 482を申請する際に満たすべき条件は次の通りです。

  • 過去5年以内に該当職業で1年以上のフルタイム勤務経験
  • 英語要件:IELTS(または同等試験)でオーバーオール5.0以上、各セクション5以上(2025年9月15日更新)
  • 該当職業のスキルアセスメント合格(職業により必須)
  • 健康診断と無犯罪証明書(日本の警察証明書)
  • ノミネートされた職業がCSOLに掲載されていること
  • 雇用主が提示する年収が給与基準(CSITまたはSSIT)を満たしていること

CSOLはJobs and Skills Australiaが管理し、現在456職業が掲載されています。SID開始時にData Analyst、Supply Chain Analyst、Tour Guide、Child Care Workerなど70以上の職業が新規追加されました。日本人の応募が多いITエンジニア、シェフ、エンジニアリング職、看護師などは引き続き対象です。

スキルアセスメントは職業評価機関(VETASSESSなど)が実施し、手数料はおおむねAUD 1,000〜2,800、処理は60〜90日、有効期限は発行から3年です。

給与基準(CSIT・SSIT)の最新値と引き上げ予定

給与基準は毎年7月1日にインデックス調整されます。

区分

2025年7月1日〜

2026年7月1日〜

Core Skills Income Threshold (CSIT)
AUD 76,515
AUD 79,499(3.9%引き上げ)
Specialist Skills Income Threshold (SSIT)
AUD 141,210
AUD 146,717

2026年7月1日以降に提出されるノミネーションには新基準が適用されます。年収オファーがCSITに僅差で届くケースでは、申請タイミングが重要になります。

スポンサー(雇用主)側の条件

申請の起点は本人ではなく雇用主です。日本人が個人でApplyすることはできず、Standard Business Sponsor(SBS)として承認されたオーストラリアの事業者が以下の3ステップを踏む必要があります。

  1. Sponsorship申請:事業者がSBSとして承認を受ける(一度のみ、承認は5年間有効)
  2. Nomination:被雇用者ごとに具体的なポジションを指名
  3. Visa申請:本人がビザを申請

雇用主は労働市場テスト(Labour Market Testing、LMTストリームによっては免除)を実施し、現地で求人を出して適任者が見つからなかったことを示す義務があります。日本との二国間協定により、Specialist Skillsストリームなど一部ではLMTが免除される場合もあります。

費用の内訳(2026年)

申請に関わる費用は、申請者が負担するものと雇用主が負担するものに分かれます。

雇用主負担(被スポンサーへの転嫁は違法)

項目

金額

Sponsorship申請料
AUD 420(一回のみ)
Nomination料
AUD 330(ポジションごと)
SAF levy(中小企業、年商1,000万豪ドル未満)
AUD 1,200/年
SAF levy(大企業、年商1,000万豪ドル以上)
AUD 1,800/年

4年ビザを発行する場合、SAF levyの総額は中小企業でAUD 4,800、大企業でAUD 7,200となります。Skilling Australians Fund levyはノミネーション提出時に一括払い必須で、被雇用者へ請求することは違法です。

申請者負担

  • 主申請者ビザ申請料(VAC):AUD 3,210(2025年7月1日インデックス調整後の統一額)
  • 18歳以上の追加申請者:AUD 3,210
  • 18歳未満の扶養者:AUD 805
  • オーストラリア国内申請の場合、Subsequent Temporary Application Charge(STAC):申請者1人あたりAUD 700
  • 健康診断、警察証明書、翻訳費用、スキルアセスメント費用は別途

処理時間の目安

2026年時点でDepartment of Home Affairsが公表している処理時間の中央値は以下の通りです。

  • Specialist Skills:中央値8日(90パーセンタイル67日)
  • Core Skills:中央値51日(90パーセンタイル3ヶ月)
  • Labour Agreement:中央値41日(最大6ヶ月)
  • 2024年12月7日以前提出の旧TSS案件:バックログにより5〜9ヶ月

2024-25会計年度の482ビザ発給件数は44,000件超で、前年比15%増となっています。

永住権への道筋

Subclass 482は単なる就労ビザではなく、永住権への踏み台として設計されています。Temporary Residence Transition(TRT)ストリーム経由でSubclass 186(雇用主指名永住ビザ)を申請できるまでの期間は、2023年11月以降3年から2年に短縮されました。さらに複数の承認スポンサー下での勤務期間を合算できる「portable」化が実現しています。

2025-26年度移民プログラムでは、雇用主スポンサー型永住権枠として44,000名が割り当てられました。長期的にオーストラリア定住を目指す日本人にとって、482→186の流れは現実的な選択肢です。永住権取得後のプロセスは永住権取得への道も参考にしてください。

また、雇用関係終了後に新たなスポンサーを見つけるための猶予期間は、旧60日から180日に延長されました。万一解雇された場合でも転職活動の時間が確保されます。

よくある落とし穴

  • CSOL未掲載職業での申請:オファーを受けても職業がCSOLに無ければ482は使えません。事前確認は必須です。
  • SAF levyの被雇用者負担:違法であり、後にビザ取消・スポンサー資格剥奪につながります。雇用契約書に費用負担が記載されていないかチェックしてください。
  • 給与のインデックス調整忘れ:2026年7月1日以降にノミネーションを提出する場合、新CSIT(AUD 79,499)を下回るオファーは却下されます。
  • スキルアセスメントの期限切れ:有効期限は発行から3年。長期間のビザ準備で失効するケースがあります。
  • 英語スコアの足切り:オーバーオール5.0でも各セクション5未満なら不可。WritingやSpeakingで取りこぼす日本人が多いポイントです。
  • 学生ビザからの切替タイミング:卒業生ビザ(Subclass 485)からの移行が一般的ですが、職務経験1年要件との兼ね合いに注意。詳細は学生ビザから就労への移行を参照。

FAQ

Q. ワーキングホリデービザから482に切り替えられますか?
A. 制度上可能ですが、ワーホリ中はフルタイム経験の蓄積が制限される場合があり、職務経験1年要件を満たすには工夫が必要です。ワーホリビザの仕組みはワーホリビザとの違いで詳しく解説しています。

Q. 家族を連れて行けますか?
A. 配偶者と扶養子は申請に含められ、配偶者にはフルタイム就労権が付与されます。

Q. スポンサー企業を自分で見つける必要がありますか?
A. はい。Department of Home AffairsはマッチングサービスではなくSBS承認済み企業のリストも公開していません。LinkedInや業界エージェント経由で求職活動を行うのが一般的です。

Q. 申請前に必ず確認すべき公式情報源は?
A. ビザ要件全般はDepartment of Home Affairs公式サイト、SAF levyはDepartment of Employment and Workplace Relations(DEWR)公式サイトで毎年7月の改定後に最新値を確認してください。

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