英語の直接的表現「直接話法」とは?間接話法との違いや基本的な使い方をわかりやすく解説!英会話で使える表現も紹介
最終更新日: 2025年12月4日

英語では、
- 人の言葉をそのまま引用するのか
- 内容を言い換えて伝えるのか
によって文の形が変わります。
これが直接話法と間接話法です。
英会話では、誰が何を言うのかを正確に伝える場面は多く、英語学習の初期から理解しておくと表現に使いやすくなります😊
日本の文法でも似た仕組みがありますが、英語は引用符の使い方や時制の変化などが明確です。
そこで今回は、英語の直接話法と間接話法について分かりやすく解説します。
この記事の内容を押さえれば、あなたの英語表現もぐっと安定していくはず🚀
話法とは?
まず、話法とは、人が発した言葉・思った内容・伝えた情報を「どのような形で文に示すか」を表す文法上の考え方です。
英語の直接的表現を理解するうえでも、この話法は避けて通れません。
直接話法(direct speech)と間接話法(indirect speech)は、代表的な語法の2つです。
英語では、話した内容をそのまま引用するのか、それとも状況に合わせて言い換えて述べるのかによって、文の構造も意味も大きく変わります。
日本語でも
- 「彼は『行くよ』と言った」
- 「彼は行くと言っていた」
のように表現が変わりますが、英語の場合はさらに引用符の有無・時制・人称・指示語など、文法的な変化がより明確に起こります。
そのため、話法を理解することは英語文法の基礎を整理するうえでもとても重要です📘✨
英語では、誰かの言葉を正確に伝えるために、「どう聞こえたか」だけでなく、「どんな状況で、誰が、誰に向けて述べたのか」といった情報も必要になります。
話法は、こうした情報を文の形で表すためのルールと言えます。
直接話法(direct speech)と間接話法(indirect speech)の違い
語法には主に、
- 他者の言葉をそのまま引用符で示す「直接話法」
- 自分の言葉で言い換えて伝える「間接話法」
の2種類があります。
ここでは、それぞれの特徴と違いを解説します。
直接話法とは
直接話法は、話し手が発した言葉をそのまま引用符で囲んで示す方法です。
例:
- She said, “I am happy.”
発言した文を原型のまま残すため、会話文・インタビュー・SNSの引用など、正確な言葉を記録したい場合に広く使われます。
間接話法とは
一方、間接話法は、話し手の発言内容を要約したり、文脈に合わせて自然な形に書き換えて伝える方法です。
例:
- He said that he was happy.
このように、時制・主語・人称・指示語などが変わることがあり、文の形そのものが直接話法とは異なります。
この2つの違いを理解しておくと、「原文どおり伝えるべきなのか」「状況に合わせて自然な形に変えるべきなのか」の判断がしやすくなります。
また、英語の長文読解や英会話でも、誰が何を述べたのかを正確に整理できる力がつくため、理解力がぐっと上がります。
直接話法の基本ルール
前述のとおり、直接話法は、話し手が発した言葉をそのまま文の中に示す方法です。
英語では会話文・インタビュー・メール引用など、発言を正確に残したい場合によく使われます。
文法的にも視覚的にもわかりやすいため、英語学習の初期でも取り入れやすい形です。
引用符の使い方
英語の直接話法では、発言内容をダブルクォーテーション(“ ”)で囲みます。
たとえば、
- He said, “I am happy.”(彼は「私は幸せです」と言った)
のように、発言部分がそのままの形で引用符の中に入ります。
日本語の「」に近いルールですが、英語では引用符の外側にコンマやピリオドが置かれる点など、細かい書き方の違いがあります。
コンマの使い方や引用位置
直接話法を使う際は、話者(She said / He told me など)と発言内容の間にコンマを置くのが基本の書き方です。
また、句読点や引用符の位置が日本語と異なることも多いため、少し慣れが必要です。
例:
- She said, “Let’s do it.”(彼女は「それやろうよ」と言った)
また、発言を先に述べる形もあります。
- “I am happy,” he said.(「私は幸せです」と彼は言った)
このように、引用部分が前に来ても後ろに来ても文法的に正しい形として使えます。
直接話法の例文
ここでは、直接話法の例文をいくつか紹介します。
- She said, “I am tired.”(彼女は「疲れた」と言った)
- “I will come tomorrow,” he said.(「明日行くよ」と彼は言った)
- He told me, “You are right.”(彼は私に「あなたが正しいよ」と伝えた)
このように直接話法では、発言を原文のまま示せるため、話した言葉がそのままダイレクトに伝わるのが特徴です。
間接話法の基本ルール
一方、間接話法は、話し手の言葉をそのまま引用せず、文脈に合わせて内容を言い換えて伝える方法です。
直接話法と違い、発言をそのまま残さないため、文全体の形が変化します。
とくに英語では、時制・人称・指示語といった語が状況に応じて変わるため、慣れるまでは少し複雑に感じるかもしれません。
ただ、一度パターンを押さえてしまえば規則性が見えてくるため、英語学習者にとって重要な文法項目です。
接続詞thatを使う場合
間接話法では、発言内容をまとめるために that を使うのが基本です。
例:
- He said that he was tired.(彼は疲れていると言った)
that は省略されることも多いため、「He said he was tired.」のように書かれていても意味は同じです。
英語の会話や文章では、省略された形を見る機会のほうが多いかもしれません。
時制の一致
直接話法から間接話法へ書き換えると、文の時制が「1段階後ろに下がる」ことがあります。
これを「時制の一致」と呼びます。
例:
- I am → He was
- I will → He would
これは、英語では「話した時点のこととして扱う」ため、発言内容も過去の視点から述べる形にそろえるというルールです。
ただし、普遍的な真実や現在も変わらない事実を述べる場合には、時制を下げない例外もあります。
人称や主語の変化
間接話法では、人称(I / you / my / his など)が状況に合わせて変化します。
例:
- “I am busy” → He said that he was busy.
この場合、I は話し手本人を指すため、he に変わります。
my → his、you → me など、誰が誰に話しているのかを考えて置き換えます。
この人称の変化を理解すると、長い文章でも「誰が何を述べたのか」が整理しやすくなります。
指示語の変化
間接話法では、時間・場所を示す語も文脈に合わせて変わります。
- today → that day
- tomorrow → the next day
- yesterday → the day before
- here → there
- now → then
直接話法のままでは意味がずれるため、間接話法では必ず文脈に合う語へ置き換えます。
間接話法の例文(和訳つき)
- He said that he was tired(彼は疲れていると述べた)
さらに応用例:
- She said that she would come the next day(彼女は翌日に来ると言った)
このように間接話法は、発言をまとめて自然な形にするための文法であり、英語で情報を整理して伝える際にとても役立ちます。
直接話法から間接話法への変換方法
直接話法の文を間接話法に変換するためには、いくつかのポイントを順番にチェックする必要があります。
ルールさえ整理しておけば、どんな文でも自然に書き換えられるようになります。
英語学習の中級レベルでは特に頻出の文法なので、変換の流れを理解しておくことは大きな助けになります。
ステップ1:代名詞や人称の変更
間接話法では、発言者と受け手の立場に合わせて I / you / my / his などの人称を調整します。
直接話法では発言者の視点そのままですが、間接話法では「誰が誰について述べているのか」に合わせて主語や所有格を変えます。
例:
- “I am busy”
→ She said that she was busy. (「私は忙しいです」→彼女は自分が忙しいと言った) - I → she
- my → his
- you → me
などの変化は文脈によって決まるため、英文全体を見て判断する必要があります。
ステップ2:動詞の時制の変更
直接話法から間接話法に変えるとき、動詞の時制が「1段階過去へ下がる」ことがあります。
これが時制の一致です。
例:
- 現在形 am → 過去形 was
- 未来形 will → would
- 現在進行形 am doing → was doing
これは、英語では「発言があった時点」から見て内容を述べるため、文全体の時制を揃える必要があるからです。
ただし、普遍的事実・現在も変わらない内容・感情や性質が変化しない場合などは、時制をそのまま保つこともあります。
条件付きの変化なので、例外も併せて理解すると扱いやすくなります。
ステップ3:時間や場所を示す語の変更
直接話法で使われる時間や場所の語は、間接話法では文脈に合わせて別の形になります。
例:
- tomorrow → the next day
- today → that day
- here → there
- now → then
これらの語は、発言の「引用元」と「引用先」で状況が変わるため、同じまま使うと意味がずれてしまいます⚠️
書き換えが自然な英文を作るために重要なポイントです。
変換の例文
- He said “I will go tomorrow.”
→ He said that he would go the next day.(彼は翌日に行くと言った)
もうひとつの例:
- She said “I am studying here.”
→ She said that she was studying there.(彼女はそこで勉強していると言った)
このように、間接話法への変換は「人称」「時制」「時間・場所」の3つを順に確認すれば、複雑な文でもスムーズに書き換えられるようになります。
時制の一致が不要な場合
間接話法では「時制を1段階過去へ下げる」ルールが基本ですが、すべての文がこの原則に従うわけではありません🙅♀️
発言の性質や内容によっては、時制が変わらずそのまま使われる場合があります。
これは英語の文法でもよく見られる自然な現象で、学習者が「例外」に見えて混乱しやすいポイントでもあります。
ただし、この例外には明確な理由があるため、一度理解してしまえばとても扱いやすくなります。
一般的な事実の場合
天体の動きや科学的事実、習慣、変わらない性質など、「今も昔も変わらない事柄」は、間接話法に書き換えても時制を変えません。
例:
- He told me that the sun rises in the east(太陽は東から昇ると彼は伝えた)
このような一般的事実は、直接話法の文が現在形でも、そのまま現在形を維持します。
理由は、「話した時点での事実」ではなく「普遍的に正しい内容」だからです。
もうひとつの例:
- She said that water boils at 100 degrees(彼女は水は100度で沸騰すると言った)
水の沸点は変わらないため、時制を下げる必要がありません🌍
助動詞の過去形を含む文
should、would、could、might などは “すでに過去形の形をしている助動詞” のため、間接話法に変換しても形がそのまま使われます。
これは英語で非常によく見られるパターンです。
例:
- “I should leave early,” he said.
→ He said that he should leave early(彼は早く出た方がいいと言った)
例:
- “I might join later,” she said.
→ She said that she might join later(彼女は後で参加するかもしれないと言った)
would に関しては、もともと will の過去形として扱われるものですが、推量や丁寧さのニュアンスを持つため、そのまま維持されることが多いです。
例:
- “I would love to go,” she said.
→ She said that she would love to go(彼女はぜひ行きたいと言った)
これらの助動詞は、形そのものがすでに過去形に基づいているため、「時制を1段階下げる」という必要が生じないのがポイントです。
場合別の書き換え
間接話法への書き換えは、文の種類によってルールが少しずつ異なります。
肯定文・疑問文・命令文・感嘆文といったさまざまな形に合わせて、語順や語の選び方を調整することで、自然な英文に変換できます。
ここでは、よく使うタイプ別にポイントを整理します。
肯定文を間接話法にする方法
肯定文では、発言内容を that 節でまとめるのが基本です。
that は省略されることもありますが、英語学習の初期段階では付けたままでも問題ありません。
例:
- “I am busy today.”
→ He said that he was busy that day(彼はその日に忙しいと言った)
このように、時制・人称・指示語を文脈に合わせて調整しながら、話し手の述べた内容を自然な形に整えていきます。
疑問文の書き換え
疑問文には2つの種類があります。
Yes/Noで答えられる質問と、Wh語(what / where / why など)を使う質問です。
Yes/Noの質問
if または whether を使います。
語順は疑問文ではなく「肯定文の語順」に戻します。
例:
- “Are you coming?”
→ She asked if I was coming(彼女は私が来るのか尋ねた)
Wh疑問文
wh語はそのまま残し、語順のみ肯定文の形にします。
例:
- “What are you doing?”
→ He asked what I was doing(彼は私が何をしているのか質問した)
疑問文は語順が変わるため、書き換えで混乱しやすいポイントですが、ルールさえ覚えればとてもシンプルになります。
命令文の書き換え
命令文は tell+人+to+動詞 という形に変えます。
直接的な命令をそのまま伝えるのではなく、「〜するように伝えた」という丁寧な形になるのが特徴です。
例:
- “Sit down.”
→ He told me to sit down(彼は私に座るように言った) - “Don’t touch this.”
→ She told me not to touch that(彼女は私にそれに触れないよう言った)
not の位置がポイントです💫
感嘆文や祈願文
感嘆文(What a〜 / How〜)や祈願文(May〜 / I wish〜)は、意味を損なわないように内容を要約して伝えます。
文法的に固定の変換ではなく、文脈に合わせて自然な日本語の「〜と言った」「〜と願った」に近い形になります。
例:
- “What a beautiful day!”
→ She said that it was a beautiful day(彼女は素晴らしい日だと言った) - “I wish you were here.”
→ He said that he wished I were there(彼は私がそこにいてくれたらと願った)
このように、特殊な文も“意味を保ちながら自然な形”に整えていくのが間接話法のポイントです。
sayとtellの違い
say は「言う」という動作そのものを示す語で、発言の内容をそのまま引用したり、that節で述べるときに使われます。
一方で tell は「伝える」「話す」というニュアンスがあり、必ず “誰に” を示す必要があるのが大きな違いです🔥
例:
- He told me that she was angry(彼は私に、彼女が怒っていると伝えた)
ここでは told の後に me(伝達相手)が必ず入っています。
逆に say を使う場合、相手を示すときは to を使います。
例:
- He said to me, “I am tired.”(彼は私に「疲れた」と言った)
また、say は直接話法・間接話法のどちらでも使えます。
例:
- He said that he was hungry(彼はお腹がすいていると言った)
このように、say は「内容を述べる動作」、tell は「誰かに向けて伝達する動作」と覚えておくと整理しやすくなります。
時や場所を表す言葉まとめ
直接話法から間接話法に変えるときは、時間や場所を表す語も文脈に合わせて書き換えます。
発言が行われた“その瞬間”と、後から内容を伝える“別の状況”では、同じ語を使うと意味がずれてしまうためです。
- today → that day
- tomorrow → the next day
- yesterday → the day before
- now → then
- here → there
- this → that
これらは間接話法で特によく登場する語なので、まとめて覚えておくと変換がスムーズになります🗒️✨
英語の直接的表現が英語学習や会話で重要な理由
直接話法と間接話法を理解すると、英会話で「誰が・何を・どのように述べたのか」を整理して伝える力が大きく伸びます。
情報の引用や内容の要約が自然にできるようになり、複雑な会話や文章、TOEICなどの試験でも混乱しにくくなります。
さらに、時制の一致や人称の変化といった文法的ポイントを押さえておくことで、英語でのコミュニケーションがよりクリアになり、聞き手にも誤解なく伝わるようになります🌿
直接話法と、状況に合わせて調整した内容を述べる間接話法の両方を学ぶことで、英語の理解が深まり、表現の幅もぐっと広がります。
英語は日本語よりも直接的に表現される?
英語は「ストレートで直接的」と言われがちですが、実際にはもっと繊細で、柔らかい言い回しを多用する言語です。
ここでは、英語の“直接性”の正体を3つの観点から整理します。
断定を避ける柔らかい英語表現
英語話者は、意見を伝えるときに I think、maybe、kind of、pretty などを添え、断定を避けて話すことがよくあります。
例:
- It’s not a good idea.(それは良いアイデアではない)
→I think it’s not a good idea.(良いアイデアではないと私は思います)
日本語に近い“配慮の姿勢”があり、相手を否定しない形で意見を伝えます。
「結論を先に述べる」文化と直接性の誤解
英語では結論 → 理由の順に話すのが基本です。
この構造が「英語=直接的」という印象を生みがちですが、これは“言葉の強さ”ではなく、論理構造の違いです。
例:
- 日本語:理由 → 結論
- 英語:結論 → 理由
英語話者がぶっきらぼうなのではなく、「誤解を避けるために先に結論を述べる」という文化的特性が根底にあります。
明確さを重視する英語と、本当の意味での直接性
英語は曖昧なまま話を進めるのを避けるため、必要な情報ははっきり言う傾向があります。
これは攻撃的な直接表現ではなく、クリアなコミュニケーション文化に基づくものです。
一方で、意見や感情を伝える場面では柔らかい語を添えてトーンを調整するため、“言い方そのものは控えめで丁寧” という特徴があります。
つまり英語は、
- 表現のトーン:控えめで柔らかい
- 話の構造:結論が先で明快
- 誤解を避けるための明確性重視
という“直接性とやわらかさが共存する言語”だと言えます。
あとはその人の性格次第とも言えるでしょう🥹✨
英語の直接話法と間接話法をもっと自然に使えるようになるには?
英語の文法として「直接話法」と「間接話法」を理解することは大切ですが、実際の会話の中で自然に使いこなせるようになるには、習った知識を“生きた英語”として何度も触れることが必要です📘✨
たとえば、ドラマや映画、SNSの短い英語クリップを見ていると、She said や He told me のような表現が自然な形で頻出します。
そのうち you や my、his のような人称の変化、時制が変わる理由なども、頭で考えなくてもスッと理解できるようになっていきます🧠💡
Migaku を使えば、日常英会話で登場する英単語・英文・音声を通して、話法の変化を“感覚として”つかむ練習ができます。
- 「文を間接話法に変えるとき、どこが変わるのか?」
- 「tell / say をどんな場面で使うのか?」
こうしたポイントも、例文に繰り返し触れることで直感的に理解できるようになるはずです🎧✨
英語学習のゴールは、知識を覚えることよりも「自然に使えるようになること」。
毎日少しずつ英語に触れることで、あなたの中に“英語の語感”が育っていきます。
まとめ:直接話法と間接話法で誰かの言葉を正確に伝えよう
英語の直接話法と間接話法は、誰が・何を・どのように述べたのかを正確に伝えるための大切な文法ポイントです。
英語勉強中の人も、「時制の変化」「人称の置き換え」「指示語の変化」などの基本を押さえるだけで、英語の文がぐっとわかりやすくなり、会話でも読み取りでも迷いにくくなります。
英語のコンテンツに触れて、なんとなくわかる——を積み重ねる。
その繰り返しこそが、英語力を伸ばす確かな道。
Enjoy learning reported speech, and keep building your intuition little by little.
Good luck!