英語の原形不定詞とは?toのない不定詞の使い方を徹底解説!使役動詞・知覚動詞も紹介
最終更新日: 2025年12月19日

英語勉強中に「原形不定詞」という文法用語を目にすることがあります。
中学や高校の授業で習ったはずなのに、to不定詞との違いがあいまいなままになっている人も多いのではないでしょうか🙂
原形不定詞は、「to のない不定詞」という見た目の特徴から特別な形に見えますが、実際には使う場合が限られています。
この記事では、英語学習者向けに、原形不定詞の基本的な意味、使役動詞や知覚動詞との関係、よくある用法、例文までを丁寧に解説します。
そもそも不定詞とは?英語文法の基本をおさらい
原形不定詞を理解する前に、不定詞についての基本情報を整理しておきましょう。
不定詞の基本的な意味と役割
不定詞とは、動詞の原形を使って、名詞・形容詞・副詞の役割を表す形です。
英語では、「〜すること」「〜するために」といった意味を表す必要があり、そのときに不定詞が使われます😊
文の中では主語・目的語・補語として使われることもあり、英文法の中でもとても重要な存在です。
to不定詞とは何か
一般的に、不定詞というと to不定詞を指すことが多いです。
to不定詞は、「to + 動詞の原形」という形をしています。
例文:
- I want to learn English.(私は英語を学びたいです)
このように、to を伴う形が基本となります。
原形不定詞とは?to のない不定詞について解説
ここからが本題です。
ここでは、to のない不定詞「原形不定詞」について解説します。
原形不定詞の意味と特徴
原形不定詞とは、to を付けずに動詞の原形だけを使う不定詞のことです。
見た目は普通の動詞に見えるため、文の中で判断しにくい点があります😵
しかし、原形不定詞はどこでも使えるわけではありません。
特定の動詞や文法構造の中でのみ使われます。
to不定詞との違いを整理
to不定詞と原形不定詞の違いは、「意味」ではなく「使い方」にあります。
日本語ではどちらも「〜する」と訳されることが多く、ニュアンスの違いが見えにくいのが特徴です。
英語では、どの動詞の後ろに続くかによって、to が必要かどうかが決まります。
【例文付き】原形不定詞を必ず使う基本パターン・用法
原形不定詞が必ず使われる代表的な用法を紹介します。
使役動詞+目的語+動詞の原形
使役動詞とは、「人に何かをさせる」意味を表す動詞です。
代表的な使役動詞には make、let、have があります。
この形では「使役動詞 + 目的語 + 原形不定詞」という文になります。
例文:
- She made him clean his room.(彼女は彼に部屋を掃除させました)
- The teacher let us leave early.(先生は私たちを早く帰らせてくれました)
ここでは to を使うことはできません。
知覚動詞+目的語+動詞の原形
知覚動詞は、「見」「聞」「感じる」といった感覚を表す動詞です。
代表的な知覚動詞には see、hear、feel があります。
- I saw him cross the street.(私は彼が通りを渡るのを見ました)
- She heard him play the piano.(彼女は彼がピアノを弾くのを聞きました)
- I felt the ground shake.(私は地面が揺れるのを感じました)
動作の一連を「見る」「聞く」場合、原形不定詞が使われます👀
原形不定詞を使うこともある表現
次に、原形不定詞が使われる場合と to不定詞が使われる場合がある表現を紹介します。
help+人+(to) 動詞の原形
help の後ろでは、to を省略することができます。
例文:
- She helped me finish the work.(彼女は私が仕事を終えるのを手伝ってくれました)
- She helped me to finish the work.(彼女は私が仕事を終えるのを手伝ってくれました)
会話では to を省略した形がよく使われます🙂
All you have to do is (to) 動詞
この表現では、is の後ろが補語になります。
例文:
- All you have to do is press this button.(あなたがするべきことはこのボタンを押すだけです)
ここでも to は省略される場合があります。
but (to) 動詞 の表現
but の後ろでも不定詞の to が省略されることがあります。
例文:
- He did nothing but complain.(彼は文句を言ってばかりいました)
助動詞と原形不定詞の関係
助動詞の後ろでも動詞の原形が使われます。
助動詞の後ろはなぜ動詞の原形になるのか
can や will の後ろでは、必ず動詞の原形が続きます。
例文:
- I can swim.(私は泳げます)
助動詞自体が意味や時制を表すため、その後ろは原形になるのが基本です🙂
中学英語で習う基本パターン
助動詞+動詞の原形は中学英語で最初に学ぶ文法です。
原形不定詞はこの考え方の延長にあります。
原形不定詞と動名詞の違いに注意
原形不定詞を学習していると、よく一緒に出てくるのが「動名詞」です。
どちらも動詞が形を変えたものなので、英語学習者にとって混同しやすいポイントでもあります🙂
ただし、原形不定詞と動名詞は、文の中での役割や意味が大きく異なります。
ここでは、その違いを整理して見ていきましょう。
意味が変わる場合の考え方
動名詞は、動詞に ing を付けて名詞として使う形です。
一方、原形不定詞は「動詞の原形」を使い、特定の文法構造の中で動詞的な意味を保ったまま使われます。
たとえば、不定詞と動名詞では、文の中で表している意味やニュアンスが変わる場合があります🧠
原形不定詞は、「人が何かをする行為そのもの」を直接的に表すことが多く、使役動詞や知覚動詞の後ろで使われるのが特徴です。
一方で、動名詞は「行為そのものを名詞として捉える」ため、主語や目的語として使われることが多くなります。
つまり、
- 原形不定詞は文法構造に強く結びついた形
- 動名詞は意味的に名詞として扱われる形
と考えると整理しやすいです。
原形不定詞が使われる慣用表現
原形不定詞は、決まった形の慣用表現の中でもよく使われます。
これらは文法ルールを細かく分析するよりも、「この形で使う」と覚えてしまうほうがスムーズな場合もあります🙂
had better / would rather など
had better は、「〜したほうがいい」という意味を表す表現です。
この表現では、had better の後ろに原形不定詞が続きます。
- You had better leave now.(今出発したほうがいいですよ)
would rather は、「むしろ〜したい」という気持ちを表す表現です。
- I would rather stay home.(私は家にいたいです)
どちらも、to を付けずに動詞の原形を使う点が共通しています。
Why+原形不定詞 の形
Why の後ろに原形不定詞を置く形も、よく使われる表現です。
- Why worry about it?(なぜそれを心配するの?)
この形は、「わざわざ〜する必要があるの?」という軽い疑問や提案のニュアンスを表します🙂
疑問文の形ですが、会話ではやわらかい表現として使われることが多いです。
原形不定詞の勉強方法と学習のコツ
最後に、原形不定詞を勉強するときの考え方について整理します。
高校英語・英文法での押さえどころ
原形不定詞を理解するうえで大切なのは、「どの動詞の後ろに続いているか」を見ることです。
使役動詞や知覚動詞、助動詞など、原形不定詞が使われる文法構造はある程度決まっています。
そのため、to があるかどうかだけで判断するのではなく、
- 主語・動詞・目的語の関係
- 文全体の形
に注目することが必要です🙂
高校英語や英文法の学習では、「例外」として暗記するのではなく、「この動詞の後ろではこの形になる」と理解すると、混乱しにくくなります。
学校や大学の授業でよく出る原形不定詞の問題
原形不定詞は、学校の英語の授業やテストでとてもよく出題される文法項目です。
特に、高校から大学に進むタイミングで、「なんとなく解けていた問題が急に難しく感じる」ことが多くなります🙂
その理由は、原形不定詞そのものが難しいというより、「なぜその形になるのか」を問われるようになるからです。
よくある問題パターン① to を入れるかどうか迷う
学校や大学の授業でよく出るのが、次のようなタイプの問題です。
- I saw him ___ cross the street.
このような問題では、「to」を入れたくなる人がとても多いです。
しかし、ここで使われている see は知覚動詞なので、see + 人 + 動詞の原形という形になり、原形不定詞が使われます。
- I saw him cross the street.(私は彼が通りを渡るのを見ました)
このタイプの問題は、「知覚動詞かどうか」に気づけるかがポイントです👀
よくある問題パターン② 使役動詞だと気づけない
次に多いのが、使役動詞を見落としてしまう問題です。
- The teacher made the students ___ rewrite the report.
この文では make が使役動詞です。
使役動詞 make の後ろでは、make + 人 + 動詞の原形という形になります。
- The teacher made the students rewrite the report.(先生は生徒たちにレポートを書き直させました)
大学の授業では、「なぜ to を使わないのか」を説明できるかどうかが問われることもあります。
高校と大学で求められる理解の違い
高校の英語では、
- 「使役動詞の後ろは原形」
- 「知覚動詞の後ろは原形」
という形の暗記でも対応できる場合が多いです。
しかし、大学の授業になると、
- 主語・目的語・動詞の関係
- 文全体の構造
といった視点で説明されることが増えます。
そのため、学校でなんとなく覚えていた知識だけだと、問題を見たときに迷ってしまうことがあります🧠
問題を解くときの考え方
原形不定詞の問題を解くときは、まず「この動詞は何か」を見ることが大切です。
to があるかどうかを先に考えるのではなく、
- 使役動詞か
- 知覚動詞か
- 助動詞か
を確認すると、自然に答えが見えてきます。
この考え方を身につけると、学校のテストだけでなく、大学の授業や実際の英語でも判断しやすくなります🙂
原形不定詞も「たくさん触れる」ことで自然に身につく
原形不定詞は、使役動詞や知覚動詞など、限られた文法構造の中で使われる表現です。
頭でルールを理解することも大切ですが、それだけでは実際の英語の文の中でスッと判断できないことも多いですよね。
英語の動画やドラマ、記事などをたくさん見ていると、
- let 人 do
- make 人 do
- see 人 do
といった形が、何度も自然に登場します。
そうした例文に繰り返し触れていくうちに、「この動詞の後ろでは to を使わない」という感覚が少しずつ身についていきます🙂
Migaku では、英語のコンテンツを楽しみながら、気になった表現や文法をその場で学習に取り込むことができます。
英語の文を読む・聞く中で出会った原形不定詞の表現を、自分のペースで復習していくことで、「知っている文法」から「使える英文法」へと変わっていきます。
文法書だけでは身につきにくい感覚こそ、たくさんの英語に触れることが一番の近道です。
まとめ:Let Yourself See English Grammar Clearly
原形不定詞は、「to がない」という見た目に惑わされがちですが、実際には使役動詞や知覚動詞など、使われる文法構造がはっきり決まっています。
どの動詞の後ろに続いているかを見ることが、原形不定詞を正しく理解するいちばんのポイントです。
英語のコンテンツに触れて、なんとなくわかる——を積み重ねる。
その繰り返しこそが、英語力を伸ばす確かな道。
たくさんの例文に触れながら、原形不定詞の感覚を少しずつ身につけていきましょう。
Good luck, and enjoy learning English!