英語のto不定詞の副詞的用法とは?意味や使い方、他の用法との見分け方などを例文付きで解説|高校英語の重要英文法を攻略
最終更新日: 2025年12月17日

to不定詞には3つの用法がありますが、その中でも不定詞の副詞的用法は動詞や形容詞、さらには文全体を修飾する重要な働きを持っています。
英語学習において、中学や高校で習うこの文法は、表現力を高めるために欠かせない要素です。
この記事では、to不定詞の副詞的用法に焦点を当てて、特に重要な5パターンを扱います。
目的・原因・結果などさまざまな使い方を例文とともに詳しく解説するので、ぜひチェックしてください📚
高校英語の重要文法「to不定詞の副詞的用法」とは?
to不定詞の副詞的用法とは、toと動詞の原形を組み合わせた形で、副詞のように他の語句を修飾する使い方です。
副詞は文の中で動詞、形容詞、副詞、または文全体を修飾する働きを持つ品詞です。
to不定詞が副詞的用法で使われる場合も、同じようにさまざまなものを修飾することができます。
副詞的用法では、目的、原因、結果、条件、程度など、文脈によってさまざまな意味を表すことができます。
to不定詞には他にも名詞的用法と形容詞的用法という種類がありますが、それらとの大きな違いは修飾する対象にあります。
名詞的用法は文の主語や目的語になり、形容詞的用法は名詞を修飾しますが、副詞的用法は主に動詞や形容詞、副詞を修飾する点が特徴です。
英語学習において、この用法について理解することは、英文を正しく読み解く上で非常に重要です💡
【動詞・形容詞を修飾】副詞的用法の5つのパターン一覧と使い方
副詞的用法の中でも特に重要なのが、動詞を修飾する基本パターンです。
ここでは目的、感情の原因、判断の根拠、結果、条件という5つの重要なパターンを見ていきましょう。
以下、それぞれの使い方について詳しく説明します。
1️⃣ 目的を表す(〜するために)
副詞的用法で最も頻繁に使われるのが、目的を表す使い方です。
「〜するために」という意味で、動詞が表す行動の目的を説明します。
例文:
- I went to the library to study English.(英語を勉強するために図書館へ行った)
- She came here to see you.(彼女はあなたに会うためにここに来た)
- He saved money to buy a new car.(彼は新しい車を買うためにお金を貯めた)
目的を表すto不定詞は、より明確に目的を示したい場合、in order toやso as toという表現を使うこともできます。
- I got up early in order to catch the first train.(始発電車に乗るために早く起きた)
否定形を作る際は、toの前にnotを置きます。
- I came here not to complain but to help.(文句を言うためではなく助けるためにここに来た)
目的を表す用法は日常会話でも頻繁に使われるので、しっかりマスターしておきましょう ✨
2️⃣ 感情の原因を表す(〜して)
感情を表す形容詞の後にto不定詞が続く場合、「〜して」という感情の原因や理由を表します。
- I'm happy to hear the news.(その知らせを聞いて嬉しい)
- We were surprised to find him there.(彼がそこにいて驚いた)
- She was sad to say goodbye to her friends.(友達に別れを告げて悲しかった)
- I'm sorry to keep you waiting.(お待たせして申し訳ありません)
- He was excited to get the job offer.(仕事のオファーをもらって興奮した)
この用法についてよく使われる形容詞の一覧には、happy、glad、sad、sorry、surprised、excited、disappointed、pleasedなどがあります。
感情の原因を表す副詞的用法は、人の気持ちを説明する際に非常に便利な表現です。
3️⃣ 判断の根拠を表す(〜するとは)
人や物事についての判断や評価の根拠を示す場合にも、to不定詞の副詞的用法が使われます。
「〜するとは」「〜するなんて」という意味になります。
- He must be smart to solve this problem.(この問題を解くとは彼は賢いに違いない)
- You are kind to help me.(手伝ってくれるなんて親切ですね)
- She was foolish to believe his lies.(彼の嘘を信じるなんて彼女は愚かだった)
- You must be crazy to do such a thing.(そんなことをするなんて君は気が狂っているに違いない)
この用法では、to不定詞が前の形容詞や評価を補強する働きをしています。
4️⃣ 結果を表す(そして〜する / 〜した結果)
動詞の後にto不定詞が続いて、その行動の結果を表すこともあります。
予期しない結果や自然な流れを示す場合に使われます。
- He grew up to be a famous doctor.(彼は成長して有名な医師になった)
- I woke up to find it snowing.(目が覚めたら雪が降っていた)
- She lived to be 100 years old.(彼女は100歳まで生きた)
特にonly to doという形では、「〜したが結果的に…」という意味で、期待に反する結果を表します。
- I hurried to the station only to miss the train.(駅に急いだが結果的に電車に乗り遅れた)
- He studied hard only to fail the exam.(一生懸命勉強したが結果的に試験に落ちた)
結果を表す用法は、物語や経験を語る際によく使われます 🎯
5️⃣ 条件を表す(〜すれば / 〜するならば)
条件を示す場合にも、to不定詞の副詞的用法が使われることがあります。
「〜すれば」「〜するならば」という意味になります。
- To hear him speak, you would think he is American.(彼が話すのを聞けば、アメリカ人だと思うだろう)
- To look at her, you wouldn't think she's over 50.(彼女を見れば、50歳を超えているとは思わないだろう)
この用法は文語的で、日常会話ではあまり使われませんが、文章を読む際には理解しておく必要があります。
【形容詞・副詞を修飾】副詞的用法の2つのパターン一覧と使い方
副詞的用法は動詞だけでなく、形容詞や副詞も修飾することができます。
ここでは意味を補う用法と程度を表す用法について見ていきます。
意味を補う(〜するのが / 〜するには)
形容詞の後にto不定詞が続いて、その形容詞の意味を補完する用法です。
「〜するのが」「〜するには」という意味になります。
- This book is easy to read.(この本は読むのが簡単だ)
- English is difficult to master.(英語は習得するのが難しい)
- This problem is impossible to solve.(この問題は解決するのが不可能だ)
- This question is hard to answer.(この質問は答えるのが難しい)
- The mountain is dangerous to climb in winter.(その山は冬に登るのが危険だ)
この用法では、to不定詞の後ろに本来あるはずの目的語が省略されています。
例えば、This book is easy to readという例文では、本来はto read this bookとなるところ、this bookが文の主語として前に出ているため省略されています。
形容詞の意味を補う用法は、物事の特徴や性質を説明する際に非常に役立ちます 💡
程度を表す(〜するほど)
too ~ to doとenough to doの構文は、程度を表す副詞的用法の代表例です。
too ~ to doは「〜すぎて…できない」という意味で、否定的なニュアンスを持ちます。
- The box is too heavy to carry.(その箱は重すぎて運べない)
- He is too young to drive a car.(彼は若すぎて車を運転できない)
- I'm too tired to go out tonight.(疲れすぎて今夜は外出できない)
一方、enough to doは「〜するのに十分…だ」「〜できるほど…だ」という意味です。
- He is old enough to understand it.(彼はそれを理解できるほど年をとっている)
- She is smart enough to solve the problem.(彼女はその問題を解決できるほど賢い)
- This room is large enough to hold 50 people.(この部屋は50人を収容できるほど広い)
程度を表す用法は、能力や可能性について語る際によく使うパターンです。
【文全体を修飾】独立不定詞
to不定詞が文全体を修飾して、話者の態度や評価を示す場合があります。
これは独立不定詞と呼ばれ、慣用的な表現として使われます。
- To be honest, I don't like this idea.(正直に言うと、この考えは好きではない)
- To tell the truth, I forgot about the meeting.(実を言うと、会議のことを忘れていた)
- To make matters worse, it started to rain.(さらに悪いことに、雨が降り始めた)
- To begin with, let me introduce myself.(まず初めに、自己紹介させてください)
- To sum up, we need more time to complete this project.(要約すると、このプロジェクトを完成させるにはもっと時間が必要です)
独立不定詞は決まった表現として使われることが多いので、よく使われるものを覚えておくと便利です。
その他の独立不定詞の表現一覧には、
- to be frank(率直に言うと)
- to be sure(確かに)
- so to speak(いわば)
- needless to say(言うまでもなく)
などがあります 📝
副詞的用法の見分け方と訳し方のコツ
to不定詞を見たときに、それが副詞的用法なのか、名詞的用法なのか、形容詞的用法なのかを見分けることは重要です。
ここでは見分け方と正しく訳すためのコツを解説します。
他の用法(名詞的用法・形容詞的用法)との違いを例文付きで解説
to不定詞の3つの用法は、文中での働きによって区別できます。
名詞的用法は、文の主語、補語、目的語になります。
- To study English is important.(英語を勉強することは重要だ)
→この場合、to不定詞は主語として働いています。
形容詞的用法は、直前の名詞を修飾します。
- I have a lot of work to do.(私にはやるべき仕事がたくさんある)
→この場合、to不定詞はworkという名詞を修飾しています。
不定詞の副詞的用法は、動詞、形容詞、副詞、または文全体を修飾します。
- I went to the library to study.(勉強するために図書館へ行った)
→この場合、to不定詞はwentという動詞を修飾しています。
見分けるポイントは、to不定詞が何を説明しているかを考えることです。
- 名詞的用法なら文の骨格を作る要素
- 形容詞的用法なら名詞の説明
- 副詞的用法なら動作や状態の説明
となります。
これらの違いを理解することで、英文を正確に読み解くことができるようになります。
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副詞的用法を正しく訳すためのステップ
副詞的用法を正しく訳す方法を身につけるには、以下のステップを踏むとよいでしょう。
まず、to不定詞が修飾している語を見つけます。
動詞を修飾しているのか、形容詞を修飾しているのか、文全体を修飾しているのかを確認します。
次に、文脈から意味を判断します。
目的なのか、原因なのか、結果なのか、条件なのか、程度なのかを考えます。
最後に、適切な日本語訳を選びます。
目的なら「〜するために」、原因なら「〜して」、結果なら「そして〜する」というように、状況に応じた訳を当てはめます。
例えば、I'm glad to meet you.という文を見てみましょう。
to不定詞はgladという形容詞を修飾しています。
文脈から、これは感情の原因を表していると判断できます。
したがって、「あなたに会えて嬉しい」と訳すのが適切です。
このように段階を踏んで考えることで、to不定詞の副詞的用法を正確に理解し訳すことができます 🎓
練習問題で理解度チェック
ここまで学んだ内容を練習問題で確認しましょう。
以下の文のto不定詞が副詞的用法として、どのような意味で使われているかを考えてみてください。
- 問題1:She went to Paris to study art.
- 問題2:I was surprised to see him at the party.
- 問題3:This question is too difficult to answer.
- 問題4:He grew up to be a lawyer.
- 問題5:You must be brave to climb that mountain alone.
解答と解説
問題1:目的を表す副詞的用法です。
「彼女は芸術を勉強するためにパリへ行った」と訳します。
to不定詞がwentという動詞を修飾し、行動の目的を示しています。
問題2:感情の原因を表す副詞的用法です。
「パーティーで彼を見て驚いた」と訳します。
to不定詞がsurprisedという形容詞を修飾し、驚きの原因を説明しています。
問題3:程度を表す副詞的用法です。
「この質問は難しすぎて答えられない」と訳します。
too ~ to doの構文で、difficultという形容詞を修飾しています。
問題4:結果を表す副詞的用法です。
「彼は成長して弁護士になった」と訳します。
to不定詞がgrew upの結果を示しています。
問題5:判断の根拠を表す副詞的用法です。
「その山に一人で登るなんてあなたは勇敢に違いない」と訳します。
to不定詞がbraveという評価の根拠を示しています。
英語を“使える力”に変える学習体験を
この記事で to不定詞の副詞的用法をしっかり理解できたら、次はその知識を実際の英文の中で見つけたり、使ってみたりする体験につなげるのが最短ルートです。
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まとめ:To the Point of Understanding
to不定詞の副詞的用法で一番大切なのは、「意味を丸暗記すること」ではなく、「どの語や文全体を修飾しているのか」を見極めることです。
目的・原因・結果・程度といった意味は、その働きを理解することで自然と判断できるようになります。
英語のコンテンツに触れて、なんとなくわかる——を積み重ねる。
その繰り返しこそが、英語力を伸ばす確かな道。
焦らず、例文の中で to不定詞の使われ方を何度も見ていくことで、感覚は必ず身についていきます。
Good luck! Enjoy spotting to不定詞 in real English and have fun learning 📘