英語のto不定詞の名詞的用法とは?主語・目的語・補語の使い方と見分け方を例文付きで解説|高校英語の重要英文法を攻略
最終更新日: 2025年12月16日

英語学習において、多くの人が一度はつまずきそうになるのが「不定詞」という単元ではないでしょうか。
高校の授業などで
- 「名詞的用法」
- 「形容詞的用法」
- 「副詞的用法」
といった文法用語を聞いて、少し難しそうだと感じてしまった方もいるかもしれません。
しかし、今回解説する「名詞的用法」は、シンプルに言えば動詞を「~すること」という名詞に変身させる魔法のようなルールです。
この記事では、to不定詞の中でも特に重要な「名詞的用法」に焦点を当て、文の中での役割や動名詞との違い、他の用法との見分け方について詳しく解説します。
基本をしっかり押さえて、自信を持って使いこなせるようになろう✨
高校英語で必須の「to不定詞の名詞的用法」とは?
まずは、to不定詞の基本的な形と、名詞的用法が持つ意味について確認していこう🚀
基本の形「to+動詞の原形」と意味を解説
to不定詞の形は非常にシンプルで、「to + 動詞の原形」で作ることが可能です。
この「to」は前置詞と同じ形ですが、後ろに動詞の原形を置くことで「不定詞」というセットになります。
名詞的用法の場合、日本語の訳し方は「~すること」となります。
本来、動詞は「動作」を表す言葉ですが、toをつけることで「名詞」と同じように扱うことができるようになるのです。
例えば、「英語を学ぶ」という動作を話題の中心にしたい場合を見てみましょう。
例文:
- To learn English is important.(英語を学ぶことは大切です)
このように、動詞の塊を名詞として扱うことで、表現の幅がぐっと広がります📕
文の中での3つの役割(S・O・C)
名詞的用法という名前の通り、この不定詞は文の中で名詞と同じ働きをします。
具体的には、英語の基本5文型などの考え方において、以下の3つの役割のいずれかを担うことになります。
- 主語(Subject):~することは
- 目的語(Object):~することを
- 補語(Complement):~することだ
それぞれの役割について、次の章から例文とともに詳しく見ていきましょう。
1. 主語(Subject)になる名詞的用法
1つ目は、to不定詞が文の主人公である「主語」になるパターンです。
「~することは…だ」という文を作るときに使われます。
文頭に来るパターン
文の先頭(前)にto不定詞を置くことで、動作そのものを主語にすることができます。
例文:
- To speak English is not easy.(英語を話すことは簡単ではありません)
この文では、「To speak English(英語を話すこと)」が主語の役割を果たしています。
ただし、現代の英語、特に日常会話においては、頭でっかちな(主語が長い)文はあまり好まれない傾向にあります😅
長すぎる主語を避ける「形式主語 It」の使い方
主語が長くなるのを避けるために使われるのが、形式主語の「It」を使った構文です。
「It is … to ~」という形にすることで、スマートな文を作ることができます。
例文:
- It is interesting to study English.(英語を勉強することは面白いです)
この場合、文頭のItは仮の主語であり、本当の意味上の主語は後ろにある「to watch movies」になります。
テストや入試問題でも頻出の形なので、必ず覚えておこう💫
2. 目的語(Object)になる名詞的用法
2つ目は、動詞の後ろに来て「目的語」になるパターンです。
「~することを(望む・好む・決める)」といった意味になります。
動詞の後ろに来るパターン
一般動詞の後ろにto不定詞を続けることで、その動作の対象を表します。
例文:
- I like to play soccer.(私はサッカーをすることが好きです)
この文では、「like(好き)」という動詞の対象(目的語)として「to play soccer(サッカーをすること)」が置かれています⚽
名詞的用法を目的語にとる主な動詞一覧
実は、すべての動詞の後ろにto不定詞が置けるわけではありません。
この用法を使うには、動詞との相性を理解する必要があります。
「want to(~したい)」や「hope to(~と望む)」のように、これからの「未来」に向かうニュアンスを持つ動詞と相性が良いのが特徴です。
よく使われる動詞を例文で紹介します。
- I want to go to Japan.(私は日本に行きたいです)
- She decided to study abroad.(彼女は留学することを決めました)
- He promised to help me.(彼は私を手伝うことを約束しました)
これらの動詞を見たら、後ろにto不定詞が続くかもしれないと予測しながら読むと、理解がスムーズになります。
3. 補語(Complement)になる名詞的用法
3つ目は、be動詞の後ろに来て主語を説明する「補語」になるパターンです。
「Aは~することです」という文を作ります。
be動詞の後ろに来るパターン
補語になる場合、主語とto不定詞の間には「主語 = 補語」の関係が成り立ちます。
例文:
- My dream is to become a teacher.(私の夢は先生になることです)
この文では、「My dream(私の夢)」と「to become a teacher(先生になること)」がイコールの関係になっています🏫
目的語と補語の違いを見分けるコツ
「動詞の後ろにあるから目的語かな?」と迷ったときは、主語との関係をチェックしてみましょう。
- 主語 = to不定詞 なら「補語」
- 主語 ≠ to不定詞 なら「目的語」
例えば、「I like to play soccer.」の場合、「私(I)」と「サッカーをすること(to play soccer)」は同じではありません。
私がサッカーそのものになるわけではないので、これは目的語だと判断できます。
使い分けに注意!名詞的用法と動名詞(~ing)の違い
名詞的用法と同じく「~すること」と訳せるものに「動名詞(~ing)」があります。
どちらを使っても良い場合もありますが、動詞によっては使い分けが必要です。
to不定詞しか目的語にとれない動詞
先ほど紹介したように、「未来」や「これからの意思」を表す動詞はto不定詞をとります。
- hope(望む)
- wish(願う)
- plan(計画する)
- agree(同意する)
例文:
- I hope to see you again.(またあなたに会うことを望みます)
動名詞しか目的語にとれない動詞
一方で、「過去」や「反復」、「中断」などのニュアンスを持つ動詞は、動名詞(~ing)を目的語にとります。
- finish(終える)
- enjoy(楽しむ)
- stop(やめる)
- practice(練習する)
例文:
- I finished doing my homework.(私は宿題をすることを終えました)
「to不定詞は未来向き、動名詞は現実・過去向き」というイメージを持つと、どんな単語が来ても対応しやすくなりますよ⏳
両方使えるが意味が変わる動詞
中には、to不定詞と動名詞の両方を使えるものの、意味が変わってしまう動詞もあります。
代表的なのが「try」や「remember」です。
例文:
- I tried to eat natto.(納豆を食べようとしました[食べようと努力した])
- I tried eating natto.(試しに納豆を食べてみました[実際に食べた])
この違いを理解しておくと、より繊細な表現が可能になります。
表現の幅が広がる「疑問詞+to不定詞」の使い方
「疑問詞 + to不定詞」の形を使うと、「何を~すべきか」「どう~すべきか」といった名詞の塊を作ることができます。
日常会話でも非常によく使われる便利な表現です。
How to ~の使い方と例文
「How to + 動詞の原形」は、「~の仕方」や「どのように~すべきか」という意味になります。
例文:
- Please tell me how to use this computer.(このコンピュータの使い方を教えてください)
What to ~の使い方と例文
「What to + 動詞の原形」は、「何を~すべきか」という意味になります。
例文:
- I don't know what to do next.(次に何をすべきかわかりません)
Where to ~ / When to ~の使い方と例文
「Where to」は「どこで/どこへ」、「When to」は「いつ」を表します。
例文:
- We discussed where to go.(私たちはどこに行くべきか話し合いました)
- I am wondering when to start.(私はいつ始めるべきか迷っています)
これらは文の中で目的語として使われることが多い表現です🗺️
名詞的用法と形容詞的用法・副詞的用法の見分け方
最後に、テストなどで問われやすい「3つの用法の見分け方」について解説します。
形容詞的用法や副詞的用法と混同しないよう、以下の点を確認しましょう。
置き換えによる確認方法
to不定詞の部分を「It(それ)」や「Something(何か)」という代名詞に置き換えてみてください。
もし置き換えても文の意味が通じるなら、それは「名詞的用法」です。
- 例1:I like to run.(私は走ることが好きです)
→ I like it.(私はそれが好きです)
意味が通じるので、これは名詞的用法です⭕ - 例2:I went to the park to run.(私は走るために公園へ行きました)
→ I went to the park it.(私は公園へそれを行きました??)
意味が通じないので、これは名詞的用法ではありません(この場合は目的を表す副詞的用法)❌
また、名詞の後ろにあってその名詞を詳しく説明している場合は、形容詞的用法の可能性が高いです。
迷ったときは、まずこの「Itへの置き換え」を試してみてくださいね。
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to不定詞(名詞的用法)の練習問題
理解度を確認するために、簡単な練習問題を解いてみよう🚀
以下の日本文に合うように、( )内の語句を並べ替えてください。
- テニスをすることは楽しいです。 ( is / to / tennis / fun / play ).
- 私は医者になりたいです。 ( to / a / want / be / I / doctor ).
- 私の趣味は音楽を聴くことです。 ( to / to / is / listen / music / hobby / my ).
- 私はどうやってそこへ行くべきかわかりません。 ( know / go / how / I / don't / there / to ).
練習問題の解答
- To play tennis is fun.
- I want to be a doctor.
- My hobby is to listen to music.
- I don't know how to go there.
全問正解できましたか?
もし間違えてしまった場合は、上の解説をもう一度読み返してみよう💪🔥
to不定詞の名詞的用法は「触れる量」で自然に理解しよう
to不定詞の名詞的用法は、主語・目的語・補語といった文の中での役割を理解したあと、実際の英文に何度も触れることで感覚的に定着していきます。
最初は「これは主語かな?目的語かな?」と考えながら読む必要がありますが、英語のコンテンツを継続的に見聞きしていると、だんだんと考えなくても自然に意味が取れるようになります 😊
Migaku では、英語の動画や文章を通して、to不定詞を含むリアルな例文に何度も出会えます。
- 「to learn English」
- 「to become a teacher」
- 「to know what to do」
など、名詞的用法のto不定詞を実際の文脈の中で繰り返し見ることで、「あ、こういうときに使うんだ」という直感が育っていきます。
最初は文法として理解し、次第に感覚で分かるようになります。
この積み重ねが、英語を読む力・聞く力の土台をしっかり支えてくれます。
英語勉強中の人は、まずは英語のコンテンツにたくさん触れながら、気になった例文を拾っていくところから始めてみよう🚀
まとめ:From To Do to Got It
to不定詞の名詞的用法は、「〜すること」という意味で主語・目的語・補語として使われるのが最大のポイントです。
文の中でどんな役割を果たしているかを意識するだけで、不定詞の理解は一気に安定します。
英語のコンテンツに触れて、なんとなくわかる——を積み重ねる。
その繰り返しこそが、英語力を伸ばす確かな道。
焦らず、例文にたくさん触れながら、少しずつ感覚を育てていこう。
Good luck! Have fun learning English ✨